カンジジタイシケンキュウ ニ

漢字字体史研究 二

字体と漢字情報
石塚晴通 監修/高田智和・馬場基・横山詔一 編
ISBN 978-4-585-28029-3 Cコード 1081
刊行年月 2016年11月 判型・製本 A5判・上製 440 頁
キーワード 国語学,日本語,言語

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細

有史以来、人間の生活とともに文字はあった。特に中国周辺民族の間では漢字が文字生活の基盤となり、さまざまに変容しながら各地で独自の展開を示していった。
各地域における文字のあり方への意識はどのような歴史的変遷をたどっていったのか。
人々の歴史を記す木簡や古文書・古記録類などの文字史料解読の経験と蓄積はいかにして共有・継承されうるのか。
これらを明らかにする研究活動を基盤として展開される文字符号や文字情報に関するデータベースの連携はいかなる研究環境を新たに作り出してきているのか。
日本語学・文献学・歴史学・考古学・仏教学・心理学・情報学・日本語教育学等、諸分野を横断した字体と漢字情報に関する最先端の議論から、これからの文字研究、人文学研究を考える。

 

 

目次
序論 字体と漢字情報 石塚晴通

第一部 字体論と字体意識
草体漢字と字体標準 山田健三
字体の定義からみる字体表・字体一覧、字体画像データ 佐藤栄作
誤字と漢字教育の関係性 岡墻裕剛
字体規範意識のデータサイエンス―字体選好の地域差を探る― 横山詔一

第二部 字体史研究
初唐の標準字体の再検討 斎木正直
漢字字体規範史データベースから見た『新訳華厳経音義私記』の字体 賈智
歴史的文字分析と字体情報―木簡の事例収集と分析― 井上幸・方国花
近世から近代日本における異体字使用の変化 山下真里
「漢字字体規範史データベース」の利用―「フレッシュマンセミナー」の単漢字報告― 萩原義雄

第三部 字体のデジタル記述
CHISEによるHNGデータ収録の試み 守岡知彦
コーパス構築における字体の問題とその処理 須永哲矢・堤智昭
「人情本コーパス」の表記情報アノテーション 藤本灯・高田智和
非漢字系日本語学習者の漢字学習の支援を目指す漢字構造記述 ガリーナ ヴォロビヨワ・ヴィクトル ヴォロビヨフ
SAT大蔵経データベースをめぐる漢字情報 永崎研宣

第四部 歴史的文字の経験知の共有資源化
歴史的文字に関する経験知・暗黙知の蓄積と資源化の試み 馬場基
歴史的文字分析の視点をめぐって 宮﨑肇
歴史的文字に関する経験知のデータ化と共有手法 高田祐一
デジタル技術による分析と経験値の融合にむけて―文字の数値的分析技術から見た可能性― 耒代誠仁

第五部 文字データベースと連携
漢字字体と文献の性格との関係―「漢字字体規範史データベース(石塚漢字字体資料)」の文献選定― 石塚晴通・高田智和
平安時代漢字字書総合データベース構築の方法と課題―『類聚名義抄』を中心にして― 池田証壽
開成石経と拓本文字データベース 安岡孝一
文字画像データベースの連携について 井上聡
文字データベース連携の課題 山田太造

あとがき 高田智和・馬場基・横山詔一
執筆者一覧
プロフィール

石塚晴通(いしづか・はるみち)
1942年生まれ。北海道大学名誉教授・東洋文庫研究員。専門は国語学、敦煌学、文字学。漢字字体規範史データベース(HNG)編纂委員会委員長。
著書に『図書寮本日本書紀本文篇・索引篇・研究篇』(美季出版社、汲古書院、1980・1981・1984年)、『東洋文庫蔵岩崎本日本書紀本文と索引』(日本古典文学会、1978年、共著)、『漢字字体史研究』(編著、勉誠出版、2012年)、論文に「漢字字体の日本的標準」(『国語と国文学』第76巻第5号、1999年)などがある。

高田智和(たかだ・ともかず)
1975年生まれ。国立国語研究所准教授。専攻は国語学(文字・表記)・漢字情報処理。
編著書に『日本語文字・表記の難しさとおもしろさ』(共編、彩流社、2014年)、監修に『例解辞典 改訂新版』(ぎょうせい、2010年)、論文に「漢字処理と『大字典』」(『訓点語と訓点資料』第109輯、2002年)などがある。

馬場基(ばば・はじめ)
1972年生まれ。国立文化財機構奈良文化財研究所主任研究員。専門は木簡学・日本古代史。
著書に『平城京に暮らす』(吉川弘文館、2010年)、論文に「荷札と荷物のかたるもの」(『木簡研究』30、2008年、p233―264)、「木簡の作法と100年の理由」(『日韓文化財論叢Ⅱ』独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所・大韓民国国立文化財研究所、2011年、p365―379)、「書写技術の伝播と日本文字文化の基層」(角谷常子編『東アジア木簡学のために』奈良大学、2014年、p227―250)などがある。

横山詔一(よこやま・しょういち)
1959年生まれ。国立国語研究所教授・東京大学大学院客員教授。専門は社会言語学・認知心理学。
著書に『日本語文字・表記の難しさとおもしろさ』(高田智和・横山詔一編、彩流社、2014年)、『現代日本の異体字―漢字環境学序説』(三省堂、2003年、共著)、『新聞電子メディアの漢字―朝日新聞CD―ROMによる漢字頻度表』(三省堂、1998年、共編著)などがある。

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