ワオウヒミコトアマテラスオオミカミデンショウ

倭王卑弥呼と天照大御神伝承

安本美典 著
ISBN 978-4-585-05123-7 Cコード
刊行年月 2003年6月 判型・製本 A5判・上製 304 頁
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定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細

卑弥呼と天照大神の年代とは重なり合う!
卑弥呼は天照大神だ!!

「天の岩屋」の話は、日食神話だ!
卑弥呼の死んだころ、福岡市上空で、皆既日食が2年つづけて起きていた!

 

 

目次
はじめに

プロローグ 最近の邪馬台国論争
●奈良県の勝山古墳出土の木製品の年代を例として●
木材の伐採の年は、一般に、建築物などの築造年代ではない/奈良県立橿原考古学研究所発の情報に異議あり/勝山古墳の木製品/土器の年代との関係は?/年輪年代法の測定発表例は、畿内に偏っている/年輪年代学は、建築年代の上限を与える/ホケノ山古墳出土木棺の炭素14年代法による年代/年輪年代法と炭素14年代法とで得られた年代が大きく異なることがある!

第1章 神話と歴史とのあいだ
●卑弥呼の死と天の岩屋隠れ●
二年つづけて、北九州に皆既日食/「卑弥呼」についての記事内容と、「天照大御神」についての記事内容が酷似している/和辻哲郎の『日本古代文化』/『古事記』『日本書紀』の神話と「魏志倭人伝」の記述との一致/大和朝廷は、邪馬台国の後継者/考古学的な事実も……/「邪馬台」と「大和」との共通性

第2章 邪馬台国問題は、なぜとけない?
●古代日本への新しい道●
アンパイアのいない試合/「情報」をとらえる数学/同語反復からの脱出/ファイマン教授のガイド/津田左右吉と山片蟠桃の文献学/一九世紀的文献批判学の誕生・発展と、その限界/自己自身にたいして無批判な批判/『東日流外三郡誌』事件が示した無能性/年代が、古いほうに向かって一人歩き/科学的史学から懐疑主義へ/一九世紀の科学と二〇世紀の科学/通説への安住/否定的精神の開花/画一主義の弊害/皇祖神、天照大御神は男性なのか?/久保泉氏の批判/可能性の計量/仮説の設定と検証/研究の良否/「年代」をとりあげる意味

第3章 二人の天照大御神
●天の岩屋伝説の意味●
1 『東方見聞録』の虚実
評価は変わる/黄金の宮殿/元寇の記事/『東方見聞録』と『魏志倭人伝』/神話もまた……
2 卑弥呼没し、台与王となる
天の岩屋事件のまえとあととで……/偶然とはいえない事実/和辻哲郎の見解/天の岩屋物語の意味するもの/天照大御神死去説を支持するもの
3 宗女、台与についての記憶
壱与か台与か/台与は、万幡豊秋津師比売か

第4章 年代論の基礎
●古代の王の平均在位年数は、ほぼ十年●
1 「年代」古代へのかけ橋
「年代」研究の必要性/那珂通世の「上世年紀考」
2 世界の王の時代別平均在位年数
中国の王の平均在位年数/西洋の王の平均在位年数/わが国の天皇の平均在位年数/世界の王の平均在位年数/調査の結果から/一〜四世紀のわが国の王の平均在位年数(十年ていどか)
3 わが国の政治権力者の平均在位年数
徳川家の将軍の在位期間/足利家の将軍の在位期間/鎌倉時代の為政者の在位期間/為政者の時代別平均在位年数/政治権力者の平均在位年数と天皇の平均在位年数/権力の座にあるものの在位年数は短い/なぜ古代ほど天皇の在位年数は短くなるか/三つの命題の設定

第5章 権力はだれが受けつぐか
●父子継承率は、時代をさかのぼるにつれ低くなる●
1 古い時代の父子継承記事は信じられない
父子継承の問題/父子継承の率は時代をさかのぼるにつれ低くなる/確率的にはきわめておきにくいことがら/皇子出生率も高すぎる/系図にも不自然な点がある/なぜ父子継承と記されがちであったか/いくつかの補足説明/父子継承についてのまとめ/笠井新也の見解
2 父子継承のばあいの平均在位年数は……
「父子継承」のばあいの平均在位年数/「兄弟継承」のばあいの平均在位年数

第6章 諸説の検討
●「通説」と事実とのあいだ●
1 平均在位年数を大きめにみる諸説
ポピュラーな説かならずしも事実をふまえていない/津田左右吉、直木孝次郎氏、井上光貞の見解/那珂通世の見解/橋本増吉の見解
2 古代の諸天皇非実在説への疑問
古代の諸天皇非実在説の根拠/事跡記事のないことは、非実在説の根拠にならない/東洋史学者、植村清二の見解/八代の天皇の名は、後世的か/父子継承の記事から、天皇の実在を否定できるか/那珂通世の年代論は、誤りである/文字も、比較的古くからあったのではないか
3 古代の天皇の実在を示す積極的根拠
四つの根拠/后妃についての記事/都の所在地についての記事/陵墓の所在地についての記事/陵墓の築かれた地形についての記事/帝紀は、造作ではない
4 津田左右吉流の文献批判学はなにをもたらしたか
客観性の欠如/水野祐氏の「三王朝交替説」/諸天皇否定説がもつ年代論上の問題点/水野氏の説がもたらした結果/「作為説」では、結果がまちまちとなりがちである/うかびあがる九代の天皇の実在の可能性/神武天皇の年代/井上の立場でも神武天皇の記憶が残ることとなる/井上の立場の矛盾/『古事記』「没年干支」の信憑性/那珂通世の崇神天皇の没年二五八年説/応神天皇以前の没年干支は信頼しがたい/和風諡号が暗示することなど

第7章 卑弥呼の謎をとく
●よみがえる古代史●
1 卑弥呼はだれか
最初の仮説系/私の仮説系1/神話と史実/諸説の比較/第二の仮説系/私の仮説系2/わが国の神話は、それほど古い時代のことを伝えたものではない
2 邪馬台国問題の基礎
「仮説」がそなえるべき条件/私の「仮説系」の適切性について/真理は、単純なことが多い/パラダイムの変革を

付 章 基礎的なデータ
●古代推定年表を作製する●
天皇の在位年数についてのデータ/一代平均の「在位年数」/第二一代雄略天皇の没年の推定/第一四代仲哀天皇、あるいは、神功皇后の没年の推定/第一〇代崇神天皇の没年の推定/川西宏幸氏の円筒埴輪の編年との一致/古代推定年表の作製/各天皇などの活躍年代/古代天皇の簡易年代推定図/古代歴史年代の「類ハッブル現象」について/古代の年代の区間推定について/卑弥呼と天照大御神の類似点

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