テラダトラヒコトレンク

寺田寅彦と連句

小林惟司 著
ISBN 978-4-585-05067-4 Cコード
刊行年月 2002年12月 判型・製本 四六判・上製 384 頁
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定価:3,960円
(本体 3,600円) ポイント:108pt

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※品切れ絶版 

寺田寅彦の魅力―

科学者の眼から社会現象を解析し文章で描き出す「寅日子」の詩的世界は、日本古来の芸術精神をよみがえらせる。

風雅の精神の根本的要素は、心の拘束されない自由な状態である。

いま日本人が最も必要としている連想力の濃密化、それを補強するイマジネーションが、寺田寅彦というい巨人の中には鈴なりの様ように存在している。本書はその証明として、文芸連句論の中で、科学者・寅彦の研究姿勢と合致する文芸世界を究明したものである。

連句文芸
連句は、前の句につきすぎず、また離れすぎないように、連鎖的に句を詠んでつなげていく文芸である。その世界にはまった日本のダ・ヴィンチ―東大教授の科学者で、漱石の弟子である寺田寅彦と、彼の連句の魅力、その天下稀なる連想力を紹介する渾身の寅彦論。

 

 

目次
第一部 理論篇

第一章 寅日子の連想作用
一、映画との連想
二、音楽との連想
三、俳諧本質論と連想

第二章 寅日子における「享楽」の意味
四、連想と享楽
五、連句の自由
六、寅彦の心法

第三章 寅彦における科学と俳諧
七、科学と哲学
八、科学と俳諧
九、科学と文学

第四章 師匠と連衆
一〇、芭蕉と蕪村―「わび」と「さび」
一一、漱石と子規
一二、連衆―豊隆、東洋城

第五章 連句修行
一三、実作者 寅日子
一四、俳諧本質論
一五、仮説の提示

第六章 外国人と俳句
一六、日本の俳句と西洋の詩
一七、西洋人と俳句
一八、愛国者 寅日子

第七章 未来の連句文藝
一九、西洋本位思想からの脱却
二〇、バーチャルな連句文藝
二一、連句文藝の未来像


第二部 実践篇

第八章 連句鑑賞
二二、三吟歌仙「あすよりはの巻」の評釈
二三、両吟歌仙「文鳥の巻」の評釈
二四、連句文藝の新形式

第九章 連句文藝の性格
二五、俳諧の根本義
二六、寅日子の連句道―うつり・響・位
二七、連句文藝の誕生

第十章 連句文藝の生成
二八、芭蕉の境地と寅日子の境地
二九、連句と禅
三〇、月花の定座と科学の定理

第十一章 連句文藝の世界
三一、定座の発生と進化
三二、式目と定理・公式
三三、式目作法の伝統

第十二章 連句文藝の未来
三四、季語の問題
三五、法則性の発見―自己目的
三六、連句文藝の新境地

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