シッタンショウノケンキュウ

悉曇章の研究

馬渕和夫 著
ISBN 978-4-585-03145-1 Cコード
刊行年月 2006年2月 判型・製本 A4判・上製 272 頁
キーワード

定価:17,600円
(本体 16,000円) ポイント:480pt

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書籍の詳細

梵語学界では省みてこられなかった諸種悉雲章の詳細な読み解きにより国語史の重要な一面と、語学発生の契機を解明する!

悉曇章は8〜9世紀、中国及び日本で行なわれた梵語の音韻表と綴字表とが1図になったものである。仏教の伝来に伴い梵語は日本にも知られる様になったが、殊に平安初期渡来の新仏教は真言・陀羅尼を梵語のままに発音することを重視したため新仏教請來のために渡唐した日本の僧達は、皆、唐土において梵語の学習に精励し、そのテキストとしての悉曇章を将来した。その後、その大半は散佚したが、その中で、唯一現存している円仁将来の安国寺本、及び渡来時の姿を忠実に残していると認められる円仁将来の全雅本、円珍将来の智証大師本、その他の諸悉曇章を紹介し、そこに書き加えられた朱書を紹介し、綿密に解明した。これによって、国語史上の難問の一端を明らかにし、又、日本における語学発生の契機を探らんとする。

 

 

目次
カラー影印 東寺蔵 安国寺本悉曇章 3葉
      東寺蔵 全雅本悉曇章 3葉
      東寺蔵 智證大師本悉曇章 2葉

第一章 悉曇章の伝来

第二章 渡来悉曇章各論
 一、仏哲将来本
 二、悉曇字紀
 三、空海将来本
 四、全雅本
 五、安国寺本
 六、円行将来本
 七、岩崎文庫本
 八、常暁将来本
 九、大悉曇章
 十、智證大師将来本
 十一、智慧輪三蔵梵書字母

第三章 個別問題研究
 一、中天悉曇と南天悉曇
 二、空海と悉曇
 三、大悉曇章について
 四、円仁と安国寺本悉曇章
 五、東寺観智院蔵『全雅本悉曇章』解析
 六、円仁『在唐記』について 
 七、悉曇資料より見た平安初期の国語音
 八、石山寺蔵の悉曇章三種

第四章 中国漢字音史との関係
 一、有気と無気
 二、唇音の軽重
 三、鼻音消滅(denasalization)
 四、入声音消滅
 五、濁音と鼻音
 六、呉音と漢音

第五章 国語における清濁の意識
 一、悉曇章における有気音と有声音
 二、国語における清濁音の認識

第六章 濁音記号
 一、全雅本悉曇章における有気・有声の記号
 二、清濁という用語の意味規定
 三、濁音記号の発生
 四、濁音表示
 五、表音記号の種々相
 六、悉曇学書における清濁と仮名
 七、『金光明最勝王経音義』
 八、国語における清濁音
人名・事項・書名索引

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