ゲンジモノガタリノキンセイ

源氏物語の近世

俗語訳・翻案・絵入本でよむ古典
レベッカ・クレメンツ/新美哲彦 編
ISBN 978-4-585-29186-2 Cコード 3095
刊行年月 2019年8月 判型・製本 A5判・並製 752 頁
キーワード 出版,古典,江戸,平安,近世,中古

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細

古典受容のダイナミズム

写本・版本の流通量が爆発的に増えたことで、地方へ/からの情報の伝播、さまざまな階層への知の解放が行われた近世。
それまでは貴族や大名、連歌師周辺で読み継がれていた『源氏物語』もまた、他の和歌集や物語類とともに、庶民に受け入れられていった。
『源氏物語』の俗語訳として最初に公刊された都の錦『風流源氏物語』、また、その続編として編まれた、梅翁(奥村政信)『俗解源氏物語』『若草源氏物語』『雛鶴源氏物語』『紅白源氏物語』の全篇を翻刻・注解、挿絵も全て収載。
国内外の一級の研究者による優れた論考も併せて収載し、俗語訳・翻案・絵入本など、さまざまな形にうつしかえられ広く古典が受容されていくダイナミズムを考察するための基盤を提供する。

 

 

目次


凡例

都の錦『風流源氏物語』 校訂・注:新美哲彦 翻刻:柿嵜理恵子
解説 レベッカ・クレメンツ

梅翁『若草源氏物語』 校訂・注:新美哲彦 翻刻:大塚誠也
梅翁『雛鶴源氏物語』 校訂・注:新美哲彦 翻刻:平田彩奈惠
梅翁『紅白源氏物語』 校訂・注:新美哲彦 翻刻:大塚誠也
梅翁『俗解源氏物語』 校訂・注:新美哲彦 翻刻:伊永好見
解説 レベッカ・クレメンツ

論考
江戸時代における「俗語訳」の意義 レベッカ・クレメンツ
女性にふさわしくない本?―十七世紀後半の日本における『源氏物語』と『伊勢物語』 ピーター・コーニツキ(翻訳:常田槇子)
テクストの改替 マイケル・エメリック(翻訳:幾浦裕之)
梅翁/奥村政信『源氏物語』の挿絵とテクスト 新美哲彦

あとがき
執筆者一覧
プロフィール

Rebekah CLEMENTS(レベッカ・クレメンツ)
Research Professor at Institució Catalana de Recerca i Estudis Avançats(ICREA)and Universidad Autónoma de Barcelona. 研究教授(カタロニア高度研究施設兼バルセロナ自治大学)。専門は東アジアの近世史。
主な著書にA Cultural History of Translation in Early Modern Japan(Cambridge: Cambridge University Press, 2015)、論文に「もう一つの注釈書?―江戸時代における『源氏物語』の初期俗語訳の意義」(陣野英則 ・緑川真知子編『平安文学の古注釈と受容 第三集』武蔵野書院、2011年)、“Speaking in Tongues? Daimyo, Zen Monks, and Spoken Chinese in Japan, 1661-1711.” Journal of Asian Studies 76.3, 2017)などがある。

新美哲彦(にいみ・あきひこ)
早稲田大学教授。専門は日本中古文学。
著書に『源氏物語の受容と生成』(武蔵野書院、2008年)、論文に「定家本『源氏物語』研究の現在/今後」(『新時代への源氏学』七「複数化する源氏物語」竹林舎、2015年)、「池田本『源氏物語』巻末付載『奥入』について」(天理図書館報『ビブリア』144号、2015年)などがある。

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