ニジュウイッセイキニアベコウボウヲヨム

21世紀に安部公房を読む

水の暴力性と流動する世界
李先胤 著
ISBN 978-4-585-29115-2 Cコード 3095
刊行年月 2016年7月 判型・製本 A5判・上製 320 頁
キーワード 評論,近現代

定価:4,620円
(本体 4,200円) ポイント:126pt

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書籍の詳細
大洪水という圧倒的な水の暴力性を目の当たりにしたいま、あらためて安部公房の文学を読み直す!

『壁』、『第四間氷期』、『砂の女』など多くのテクストに繰り返し登場する水の表象と、流動する世界を描いた作品群から、固定概念をゆるがすもの=「怪物」としての文学を考察。
時代の転換期に成長し、戦後復興とともに創作を続けた作家の思想を、9.11、3.11を経た世界に読み直す。

 

 

目次
はじめに

序 章 安部公房の思想と時代
1 〈デモーニッシュ〉なものの胎動
2 批判精神と科学技術への注目
3 運動からの離脱と雑種文化論
4 再構成されるテクストと儀式化に対する抵抗
5 方舟から「ヘテロ精神」の復権へ
6 水の表象で世界を考える

第1章 〈怪物性〉という概念と安部公房の文学論
1 覚醒を呼びかける〈怪物性〉
2 〈怪物性〉の文学と認識的異化作用
3 安部公房における「仮説の文学」
4 安部公房と日本のSF―「名のない怪物」のゲリラ戦

第2章 水の表象と暴力
1 水のスペクトラム
2 洪水とノアの方舟の反転
3 方舟という空間と政治

第3章 裁きと排除の空間
1 閉鎖空間と排除のシステム―壁というシステムの両義性
2 方舟という閉鎖空間の政治性
3 新しい法による国境と排除の論理

第4章 「水」と「変形」をめぐる科学的言説の射程
1 「洪水」と観察の科学
2 水の位相空間と変形の論理
3 洪水の予言とテクノクラシー

結 語 水の波動、転換期を渡る方舟―科学の言説による詩学

参考文献
あとがき―「計算機の手」で「怪獣の心」を描くこと
プロフィール

李先胤(イ・ソンユン)
ソウル生まれ。梨花女子大で哲学、高麗大で日語日文学を専攻。東京大学大学院総合文化研究科修士、博士課程修了。博士(学術)。梨花女子大、高麗大、誠信女子大非常勤講師、梨花女子大人文科学院研究教授等を経て、現在、高麗大GLOBAL日本研究院HK研究教授。専門は近現代日本語文学、文化。
主な著書に、『人間と怪物の間―安部公房と異形の身体』(2014、Greenbee、単著)、『在朝日本人と殖民地朝鮮の文化2』(2015、亦樂、共著)、『翻訳と交渉-近代人文知識の形成-』(2013、梨大出版部、共著)。主要論文には「帝国と女性嫌悪 (misogyny)の視線」(2015、『日本研究』)、「予言する機械とテクノクラシー―安部公房『第四間氷期』論」(2013、『日本文化學報』)、 「1880年前後日本小新聞が描いた倭官及び在朝日本人の表象」(2015、『日本文化研究』)などがある。

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