カートは空です。
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主人公の女性記者は微妙な感情の行き違いから夫と喧嘩して家を出る。「今夜の食事をお作りします」という紙片をもって市場に立ち、見知らぬ他人のために夕食を作ることで、どこの家庭にも問題があると知って夫婦間の誤解はとけるが……。ほかに、幼少期の記憶を掘り起こして家族との日常をつづった『原風景』などを収録。
遅子建(チーツーチエン/Chi Zijian)1964年、黒龍江省の生まれ。大公安嶺師範大学在学中から作品を書き始め、『北極村の童話』(1986)で注目されるようになった。文章は詩的で、緻密である。以来、『年越し風呂』(1998)、『世界中のすべての夜』(2005)、『アルグン河右岸』(2005)など北方の大地に住む庶民を主人公にした作品を書き続けている。
・「朝日新聞」(2012年9月23日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学))・「朝日新聞」(2012年12月23日)の「書評委員お薦め「今年の3点」」にて、本書の紹介文が掲載されました。(選者:松永美穂(早稲田大学教授))