アジア遊学229
ブンカソウチトシテノニホンカンブンガク

文化装置としての日本漢文学

滝川幸司・中本大・福島理子・合山林太郎 編
ISBN 978-4-585-22695-6 Cコード 1395
刊行年月 2019年2月 判型・製本 A5判・並製 240 頁
キーワード 漢文,比較文学,古典,近現代,近世,中世,中古,上代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
日本漢文学研究の新たな展開

古代から近代まで、日本人は、つねに漢詩や漢文とともにあった。
本書は、最新の知見を踏まえた分析や、様々な言語圏及び国・地域における論考を集め、日本漢文学についての新たな通史的ヴィジョンを提示する。
研究史を概括しつつ、とくに政治や学問、和歌など他ジャンルの文芸などとの関係を明らかにしながら、文化装置としての日本漢詩文の姿をダイナミックに描き出す。

※本書カバーにおいて執筆者のお名前に誤りがございました。
誤:青山正英先生
正:青山英正先生
お詫びして訂正させていただきます。

 

 

目次
Ⅰ 古代・中世漢文学研究の射程
平安朝漢文学の基層―大学寮紀伝道と漢詩人たち 滝川幸司
長安の月、洛陽の花―日本古典詩歌の題材となった中国の景観 高兵兵
後宇多院の上丁御会をめぐって 仁木夏実
誰のための「五山文学」か―受容者の視点から見た五山禅林文壇の発信力 中本大

Ⅱ 江戸漢詩における「唐」と「宋」
語法から見る近世詩人たちの個性―“エクソフォニー”としての漢詩という視点から 福島理子
室鳩巣の和陶詩―模倣的作詩における宋詩の影響 山本嘉孝
竹枝詞の変容―詩風変遷と日本化 新稲法子
近世後期の詩人における中唐・晩唐 鷲原知良

Ⅲ 東アジア漢文交流の現実
通信使使行中の詩文唱和における朝鮮側の立場―申維翰の自作の再利用をめぐって 康盛国
蘇州における吉嗣拝山 長尾直茂

Ⅳ 漢詩・和歌が統べる幕末・維新期の社会
幕末志士はなぜ和歌を詠んだのか―漢詩文化の中の和歌 青山英正
漢詩と和歌による挨拶―森春濤と国島清 日野俊彦
西郷隆盛の漢詩と明治初期の詞華集 合山林太郎

Ⅴ 近代社会の礎としての漢学―教育との関わりから
明治日本における学術・教学の形成と漢学 町泉寿郎
懐徳堂と近現代日本の社会 湯浅邦弘

Ⅵ 新たな波―世界の漢文学研究と日本漢詩文
英語圏における日本漢文学研究の現状と展望 マシュー・フレーリ
朝鮮後期の漢文学における公安派受容の様相 姜明官(康盛国訳)
越境して伝播し、同文の思想のもと混淆し、一つの民族を想像する―台湾における頼山陽の受容史(一八九五~一九四五) 黄美娥(森岡ゆかり・合山林太郎訳)
プロフィール

滝川幸司(たきがわ・こうじ)
京都女子大学文学部教授。専門は平安文学。
主な著書に『天皇と文壇 平安前期の公的文学』(和泉書院、2007年)、『菅原道真論』(塙書房、2014年)、『菅家文草注釈 文章篇』第一冊(共著、勉誠出版、2014年)などがある。

中本大(なかもと・だい)
立命館大学教授。専門は日本中世文学・日本漢文学。
主な著書・論文に『名庸集 影印と解題』(思文閣出版、2013年)、「室町時代五山禅林は歌壇・連歌壇に何をもたらしたか」(天野文雄監修『禅からみた日本中世の文化と社会』、ぺりかん社、2016年)などがある。

福島理子(ふくしま・りこ)
帝塚山学院大学リベラルアーツ学部教授。専門は日本近世文学、漢文学。
主な著書に『女流』(江戸漢詩選三、岩波書店、1995年)、『梁川星巌』(山本和義との共著、研文出版、2008年)などがある。

合山林太郎(ごうやま・りんたろう)
慶應義塾大学文学部准教授。専門は近世・近代の日本漢文学。
主な著書に『幕末・明治期における日本漢詩文の研究」(和泉書院、2014年)、論文に「漱石の漢詩はいかに評価・理解されてきたか?―近世・近代日本漢詩との関係性に着目して」(山口直孝編『漢文脈の漱石』翰林書房、2018年3月)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「新しい漢字漢文教育」第69号に新刊紹介が掲載されました。

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