カンコクチョウセンセツワガクノケイセイトテンカイ

韓国・朝鮮説話学の形成と展開

金廣植 著
ISBN 978-4-585-29201-2 Cコード 3098
刊行年月 2021年2月 判型・製本 A5判・上製 464 頁
キーワード 民俗学,説話,東アジア,近現代

定価:12,100円
(本体 11,000円) ポイント:330pt

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書籍の詳細
近代教育及び植民地経験を経た韓国・朝鮮民間説話の近代的変容を捉える

日本人研究者の植民地主義・朝鮮人研究者の抵抗民族主義という二分法的な図式が散見される朝鮮民俗学史。しかし、そこには日本人研究者の果たした役割とその影響がきわめて大きく、朝鮮民間説話学は近代日本の学知の影響を受けながら形成されたものであった。
未公開資料・新出資料を含めた膨大な近代資料を収集・整理・分析し、説話のモティーフや構造的形式の影響関係に注目。説話の歪曲という観点を乗り越え、近現代の韓国・朝鮮民間説話学の形成過程を総合的に分析し、個別説話の伝承とその変容を複合的に捉えなおし、その意味を考察する。
東アジア比較民間説話学を新たに再構築する基盤を提供する一冊。

 

 

目次
序 章

第1編 朝鮮総督府学務局の民間伝承調査と教科書
 第1章 日本と植民地朝鮮で実施された民間伝承調査
 第2章 朝鮮総督府朝鮮語教科書に収録された俚諺の収録過程
 第3章 民間説話調査の内容とその意味
 第4章 朝鮮総督府学務局編輯課と朝鮮民俗資料
 第5章 朝鮮総督府編纂『国語読本』研究の現況と課題
 第6章 韓国教科書における伝来童話の収録過程

第2編 朝鮮説話・童話集の刊行と比較説話学の展開
 第1章 帝国日本の「日本」説話集における朝鮮と台湾
 第2章 ドイツ文学者田中梅吉と朝鮮初の童話集及び絵本
 第3章 朝鮮語で刊行された童話集と沈宜麟
 第4章 朝鮮童話集における改作の様相
 第5章 1920年前後における日韓比較説話学の展開
 第6章 孫晋泰の東アジア民間説話論

第3編 韓国・朝鮮民間説話の近代的変容
 第1章 民間説話の変容と壬辰倭乱(文禄・慶長の役)
 第2章 植民地期朝鮮における日韓共通の昔話「瘤取り」
 第3章 韓国における兄弟譚及び隣人譚の変容
 第4章 朝鮮総督府編修官立柄教俊と「もの言う亀」
 第5章 植民地期朝鮮における「三年峠」(三年坂)
 第6章 近現代における「きこりと仙女」(天人女房譚)の展開

終 章

参考文献
◎ハングル及び漢文文献
◎日本語文献
初出一覧
あとがき
索 引
プロフィール

金廣植(キム・クァンシク)
1974 年韓国生まれ。東京学芸大学大学院修了(博士)。延世大学校・東京理科大学・横浜国立大学・埼玉大学などの非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PDを経て、『東方学志』『実践民俗学研究』などの編集委員、立教大学兼任講師。
主な著書に、『植民地期における日本語朝鮮説話集の研究―帝国日本の「学知」と朝鮮民俗学』(勉誠出版、2014年)、『植民地朝鮮과近代説話』(民俗苑、2015年)、『近代日本의 朝鮮口碑文学 研究』(寶庫社、2018年)、共編著に、『植民地時期日本語朝鮮説話集資料叢書』全13冊(J&C、2012 ~ 2014年)、編著に、『近代日本語朝鮮童話民譚集叢書』全4冊(寶庫社、2018年)など多数。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「図書新聞」(2021年6月19日号)に書評が掲載されました。 
 →評者:石井正己氏(東京学芸大学教授、日本文学・民俗学)

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