ショモツニミセラレタキジンタチ

書物に魅せられた奇人たち

英国愛書家列伝
髙宮利行 著
ISBN 978-4-585-39005-3 Cコード 1090
刊行年月 2021年12月 判型・製本 A5判・並製 256 頁
キーワード 書物史,伝記,出版,文化史

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細

古来、人びとの隣にはつねに「書物」があった。
その魅惑的なモノは、時に人びとの蒐集欲を掻き立て、
さまざまな人間ドラマを描きだした。
蔵書票や蔵書印、書き入れは書物に残された人びとの欲望の痕跡である。
ことに書物文化が早くから花開いたイギリスにおいては、
書物に魅せられた先人たちの驚くべきエピソードに事欠くことがない。
エリザベス1世の魔術師と畏敬されたジョン・ディー、英国書物史の異端児ジェームズ・オーチャード・ハリウェル、書誌学探偵グレアム・ポラード、喜劇王チャールズ・チャップリンなど、16世紀から20世紀に至る英国で、書物とりわけ古書に取り憑かれた人物19人をピックアップ。
数々の人びとの手を経て伝えられてきた著者所蔵の貴重な書物を紐解きながら、
人と書物のひとかたならぬ愛の物語を読み解く出版文化史。
貴重な図版を100点以上掲載!

 

 

目次
はじめに

1 女王陛下の魔術師、ジョン・ディー旧蔵のハーディング『年代記』
2 古英語学者のパイオニア、ローレンス・ノウェル
3 好古家でケンブリッジ大学への篤志家ロバート・ヘア
4 忘れ去られた収集家ジョン・モリス
5 国王を立腹させた学者ピーター・ヘイリンの場合
6 先祖の家紋を精査した好古家ウォルター・チェトウィンド
7 愛する母校から追放されたトマス・ベイカー
8 リーズの名士ラルフ・ソアズビー
9 モーリス・ジョンソンのスポールディング紳士協会
10 「正直者トム」・マーティンの正体
11 遅咲きの好古家ジョージ・バラード
12 コレッジの学長を驚かせた若者ジョン・ラヴデイ
13 ケンブリッジ大学副総長でシェイクスピア学者だったリチャード・ファーマー
14 折丁記号Bの前にPを―フィリップ・ブリスの場合
15 書物史のジキルとハイド―ジェームズ・オーチャード・ハリウェル
16 二兎を追って二兎を得たジェフリー・ケインズ卿
17 フローレンスとチャーリー・チャップリンの知られざる過去
18 書籍商兼書誌学者グレアム・ポラード
19 ケンブリッジで愛された書誌学者で怪奇小説作家A. N. L. マンビー
20 愛書家よ、永遠なれ

あとがき
プロフィール

髙宮利行(たかみや・としゆき)
1944年生まれ、慶應義塾大学経済学部及び文学部英文科卒業、同博士課程修了、ケンブリッジ大学英文学部博士課程修了。慶應義塾大学文学部助手、助教授、教授を経て名誉教授。
2017年ケンブリッジ大学サンダーズ記念書誌学講座リーダー、シェフィールド大学・グラスゴー大学名誉文学博士、ロンドン好古家協会フェロー、日本中世英語英文学会会長、日本英文学会理事、初期書物学会理事、新チョーサー学会理事、国際アーサー王学会日本支部会長などを歴任。Poetica編集主幹。
専門は中世英文学、アーサー王伝説、書物史、書誌学。
主な著書に『西洋書物学事始め』(青土社、1993)、『アーサー王伝説万華鏡』(中央公論社、1996)、『図説人と本の歴史事典』(原田範行と共著、柏書房、1997)、『グーテンベルクの謎』(岩波書店、1998)、『アーサー王物語の魅力』(秀文インターナショナル、1999)、『本の世界はへんな世界』(雄松堂書店、2012)などがある。
その他英語著作、共編著、翻訳書多数。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「週刊読書人」(2022年4月8日・5面)に書評が掲載されました。
 →評者:南陀楼綾繁氏(編集者・ライター)

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