チョウハツスルグンキ

挑発する軍記

大津雄一 著
ISBN 978-4-585-22292-7 Cコード 1021
刊行年月 2020年10月 判型・製本 四六判・並製 384 頁
キーワード 軍記,日本史,中世

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
「暴力」と「愛」と―
「いくさ」を描く物語はなにを我々に伝えているのか

大量の血と首、首のないむくろ、切り落とされた手、切腹して折り重なる死骸。
愛のために生き、そして死んでいった親子や夫婦、主従たち。
『平家物語』『太平記』などに代表される「いくさ」を描いた物語は、いまなお、なぜ読まれ、語り継がれていくのか。
「死」と「生」の物語のもつ魅力と意義、そして可能性をあざやかに解き明かす。

 

 

目次
はじめに
主要使用テクスト

第一部 いくさの表象
第一章 軍記と暴力
  一 フー=チュ=リの処刑
  二 千任の処刑
  三 『後三年合戦絵詞』あるいは『後三年記』
  四 『後三年合戦絵詞』の世界
  五 軍記の暴力表象
  六 緩慢な死
  七 悪魔的暴力
  八 悲劇の効能
  九 『後三年合戦絵詞』の価値
第二章 『平家物語』という祝祭
  一 戦争という祝祭
  二 法住寺合戦
  三 モックキング
  四 見世物・笑い・装飾
  五 グロテスク
  六 アブジェクシオン
  七 共同体の物語
第三章 いくさと少年たち
  一 物語
  二 千世童子
  三 十三歳
  四 「美しさ」と「健気さ」と「生への可能性」
  五 勢多伽と六代
  六 三条河原の公開処刑
  七 「死の欲動」

第二部 愛の表象
第一章 『平家物語』の語る愛
  一 物語の効能
  二 六代と若宮
  三 六代と若宮から成親と俊寛へ︑そして維盛へ
  四 凡庸な物語
  五 維盛から宗盛へ
  六 維盛から小宰相へ
  七 怪我の功名
第二章 残された女の物語
  一 出家するか身を投げるか
  二 小宰相
  三 出家
  四 入水
  五 曾我兄弟の母
  六 再婚
  七 小宰相と曾我兄弟の母
  八 小宰相と虎
  九 おわりに

第三部 知の様相
第一章 慈光寺本『承久記』は嘆かない
  一 「文学」的価値
  二 慈光寺本『承久記』
  三 王の敗北
  四 慶事
  五 四劫と三千仏
  六 『愚管抄』
  七 『水鏡』
  八 危機
  九 歴史の語り方
  十 したたかな人々
  十一 不遜な発言
  十二 慈光寺本の価値
第二章 『太平記』の「知」
  一 認知の様式としての物語
  二 批評精神
  三 議論する人々
  四 「結論」のない議論
  五 「次での才覚」
  六 『太平記』のカオス
  七 カオスの価値

第四部 英雄の誕生
第一章 野蛮と純朴
  一 プリミティビズム
  二 叛臣
  三 野人
  四 英雄
  五 ロマンティスト
  六 運命にあらがう人
第二章 時勢と英雄
  一 叛逆英雄
  二 伝記の時代
  三 ロマン的英雄へ
  四 道徳的英雄へ
  五 扱いにくい叛逆者たち
  六 帝国軍人の祖へ
  七 革命の英雄へ
  八 英雄なき世界

第五部 教室の『平家物語』
第一章 何のために?―『平家物語』群読の危うさ―
  一 群読
  二 感動
  三 訓練
  四 本質との邂逅
  五 『平家物語』である理由
  六 危うさ
  七 まとめ
第二章 『平家物語』に惚れさせない
  一 古典からの解放
  二 古典に惚れさせない
  三 「木曾最期」の戦前
  四 「木曾最期」の戦後
  五 「木曾最期」の現在
  六 木曾義仲と廣瀬武夫
  七 「木曾最期」に惚れさせない
  八 「能登殿最期」に惚れさせない
  九 「自他の生命を尊重する精神」

おわりに
初出一覧
索 引
プロフィール

大津雄一(おおつ・ゆういち)
1954年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。博士(文学)。専門は、日本中世文学。軍記全般を対象とする。
著書に、『軍記と王権のイデオロギー』(翰林書房、2005年)、『北条五代記』(共著、勉誠出版、1998年)、新編日本古典文学全集『曾我物語』(共著、小学館、2002年)、『平家物語大事典』(共編、東京書籍、2010年)、『『平家物語』の再誕―創られた国民叙事詩』(NHK出版、2013年)、『戦国武将逸話集 訳注『常山紀談』』(全四巻、共訳注、勉誠出版、2010~2018年)などがある。

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