コクソウノセイリツ

国葬の成立

明治国家と「功臣」の死
宮間純一 著
ISBN 978-4-585-22130-2 Cコード 1021
刊行年月 2015年11月 判型・製本 四六判・上製 296 頁
キーワード 日本史,明治,近代

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
「死」が国家儀式となるとき

発足当初から国家要人の死に積極的に関与していった明治新政府。
権力は「功臣」の死にどのような意味を付与し、いかに装飾・創造していったのか。
個人の死が「公」の儀式へと変わっていく様相を体系的に検証し、近代国家形成の装置として導入された「国葬」の歴史的展開を明らかにする。

 

 

目次
目次

序 章
 一 日本における国葬
 二 研究史の整理と本書の目的
 三 本書の構成

第一章 明治初期における政府要人の死と「恩賜」
 はじめに
 一 祭粢料の下賜
 二 勅使の差遣
 三 贈位・贈官
 四 儀仗兵の下賜
 小括

第二章 暗殺と葬儀―広沢真臣を中心に
 はじめに
 一 死亡直後の様相
 二 葬儀の執行
 三 死の劇場化
 四 山口における慰霊行為
 小括

第三章 大久保利通の准国葬
 はじめに
 一 死亡直後の状況
 二 葬儀の準備
 三 葬儀の実施
 四 葬儀の政治的意図
 小括

第四章 明治初期における皇族の葬儀―静寛院宮の葬儀を中心に
 はじめに
 一 静寛院宮の死去と葬儀の準備
 二 葬儀の執行と葬列
 三 葬列の規模
 四 遺物の分配
 小括

第五章 最初の国葬―岩倉具視の葬儀
 はじめに
 一 葬儀執行までの様相
 二 国葬の条件
 三 国葬に関する規則の作成
 四 葬儀の執行と葬列
 小括

第六章 国葬の完成―三條実美の葬儀
 はじめに
 一 三條実美の国葬
 二 国葬の形式完成
 三 地域における追悼
 四 『三條実美公年譜』の編集
 小括

第七章 神道碑の下賜
 はじめに
 一 勅撰碑文下賜の決定
 二 最初の神道碑建設
 三 大久保・木戸の勅撰碑文の撰文
 四 大久保・木戸の神道碑落成
 小括

第八章 公葬の拡大―大名華族の葬儀
 はじめに
 一 正倫の佐倉帰還
 二 正倫の旧藩領における振る舞い
 三 先祖の顕彰
 四 葬儀の様相
 小括

終 章―まとめと展望

主要参考文献
あとがき
索 引
プロフィール

宮間純一(みやま・じゅんいち)
1982年千葉県生。2012年中央大学大学院博士後期課程修了。博士(史学)。千葉県文書館嘱託職員を経て、現在、宮内庁書陵部研究員および中央大学兼任講師、立正大学非常勤講師。
主な著書に「戊辰内乱と吉田家本所―神威隊を中心に―」(『日本歴史』735、2009年)、「大久保利通の葬儀に関する基礎的考察―国葬成立の前史として―」(『風俗史学』41、2010年)など。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「朝日新聞」(2022年9月17日)に書評が掲載されました。
 →評者:山田慎也氏(国立歴史民俗博物館副館長・教授)

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