ケイセイサレルキョウヨウ

形成される教養

十七世紀日本の〈知〉
鈴木健一 編
ISBN 978-4-585-29110-7 Cコード 3091
刊行年月 2015年11月 判型・製本 A5判・上製 464 頁
キーワード 出版,美術,古典,日本史,江戸,近世

定価:7,700円
(本体 7,000円) ポイント:210pt

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書籍の詳細
〈知〉を紐帯とする世界の形成を探る

近世初期。それまでの戦乱による混沌を経て、列島内部に安定がもたらされた。
政治的・社会的制度が改めて確立していく動きと呼応するように、かつての人びとが獲得していた古典的な〈知〉を再び取り戻さんとする動きが現れる。
さらに、海外からの最新情報と技術移入が起爆剤となって、教養の強化・定着・伝播へとつながっていく。
〈知〉が社会の紐帯となり、教養が形成されていくその歴史的展開を、室町期からの連続性、学問の復権、メディアの展開、文芸性の胎動という多角的視点から捉える画期的論集。

 

 

目次
はじめに 鈴木健一

総論 形成される教養―十七世紀日本の〈知〉 鈴木健一

Ⅰ 基盤としての室町文化
策彦周良の聯句文芸 深沢眞二
五山僧侶の教養―古澗慈稽を例に 堀川貴司
公家の学問―三条西家を中心に 山本啓介
教養としての謡―室町文化はいかに継承されたか 宮本圭造

Ⅱ 学問の復権
林羅山と朱子学 澤井啓一
林羅山の儒仏論―『野槌』和文序を緒として 川平敏文
伝授と啓蒙と―松永貞徳『なぐさみ草』をめぐって 西田正宏
江戸初期の有職故実と文化システム―書と公家装束をめぐって 田中潤

Ⅲ メディアの展開
慶長前後における書物の書写と学問 海野圭介
角倉素庵と学問的環境 高木浩明
中世から近世初期の医学知識の展開―出版文化との関わりから 町泉寿郎
近世における大蔵経の出版とその影響 松永知海
近世狩野派の墨竹図をめぐる教養―制作、鑑賞のための基礎知識の形成 門脇むつみ

Ⅳ 文芸性の胎動
『大坂物語』論―歴史はどのように記述されるのか 柳沢昌紀
烏丸光広の画賛 田代一葉
貞徳俳諧と狂歌の思想―狂歌集の序文をめぐって 田中仁
街道の牛若物語―近世初頭の浄瑠璃の語られ方 阪口弘之
ことばと思想に見るキリシタン文化の影響―黒船・南蛮屏風・パンヤ・伊曽保物語の受容 小林千草

あとがき 鈴木健一

執筆者一覧
プロフィール

鈴木健一(すずき・けんいち)
1960年生まれ。学習院大学教授。専門は近世文学、詩歌史、古典学。
著書に『江戸古典学の論』(汲古書院、2011年)、『林羅山』(ミネルヴァ書房、2012年)、『古典注釈入門―歴史と技法』(岩波現代全書、岩波書店、2014年)、編著に『浸透する教養―江戸の出版文化という回路』(勉誠出版、2013年)などがある。

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