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七世紀、遠くインドへ旅に赴き、多数の仏典・仏像を将来、仏典の漢訳により東アジアにおける仏教の基盤を作り上げた仏者、玄奘三蔵。その求法の道行はいかなるものであったのか。そして、その思想はどのように形成され、伝えられていったのか。言説・絵画作品などで玄奘はどのように語られ、描かれているのか。実像と伝承上の姿を対照することで浮かび上がる、新たな玄奘像とはどのようなものなのか。仏教学・文学・美術など多角的な視点から玄奘の、そして、玄奘にまつわる思想・言説・図像を読み解く画期的論集。
佐久間秀範(さくま・ひでのり)1954年生まれ。筑波大学名誉教授。専門はインド瑜伽行唯識思想。著書にDie Āśrayaparivṛtti-Theorie in der Yogācārabhūmi, Teil I,II, Alt- und Neu-Indische Studien, Bd. 40, herausgegeben vom Institut für Kultur und Geschichte Indiens und Tibets an der Universität Hamburg, Stuttgart: Franz Steiner Verlag, 1990,10, Teil I: 178 Seiten, Teil II: 243 Seiten. 論文に「瑜伽行唯識思想とは何か」(『シリーズ大乗仏教7 唯識と瑜伽行』春秋社、2012年8月)、「瞑想修行と計測の可能性」(『仏典とマインドフルネス―負の反応とその対処法』臨川書店、京都、2021年3月)などがある。近本謙介(ちかもと・けんすけ)名古屋大学人文学研究科教授。専門は中世宗教文芸。編著書に『春日権現験記絵注解』(神戸説話研究会編、和泉書院、2005年・2014年改訂重版)、『日光天海蔵直談因縁集翻刻と索引』(廣田哲通・阿部泰郎・田中貴子・小林直樹との共編著、和泉書院、1998年)、論文に「南都における浄土信仰の位相―貞慶と『春日権現験記絵』をめぐって」(『國語と國文学』〈中世文学と信仰〉九二巻五号、2015年)などがある。本井牧子(もとい・まきこ)1971年生まれ。京都府立大学文学部教授。専門は日本文学(宗教文芸)。著書に『金蔵論本文と研究』(宮井里佳共編著、臨川書店、2011年)、論文に「『釈迦堂縁起』とその結構」(『國語國文』86-5、2017年5月)などがある。
★書評・紹介★「説話文學研究」第58号(2023年9月30日)にて紹介されてました。 →紹介者:恋田知子氏(慶應義塾大学)