グリムドウワトヒョウショウブンカ

グリム童話と表象文化

モティーフ・ジェンダー・ステレオタイプ
大野寿子 編
ISBN 978-4-585-29150-3 Cコード 3098
刊行年月 2017年7月 判型・製本 A5判・上製 448 頁
キーワード 社会学,民俗学,比較文学

定価:5,060円
(本体 4,600円) ポイント:138pt

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書籍の詳細
巷間に伝わる「物語」には、なにが描き出されてきたのか

グリム童話、民話、伝説、神話、演劇、映画、現代小説、都市伝説…。
民話の受容の歴史や様相、モティーフとその類型、さらにはそこに内包されるジェンダー観念やステレオタイプなど、「物語」の諸相とその連続性を、比較民話学や文献学・民俗学・社会学の手法から考察する。多彩なジャンルの「物語」を題材にして研究手法の新境地を探る。

 

 

目次
はじめに 大野寿子

プロローグ
古い菩提樹の下―グリム兄弟『子どもと家庭のメルヒェン集』の最初の数文について ハインツ・レレケ(横道誠 訳)

Ⅰ グリム童話を考える
神話と現実のはざまの「メルヒェンおばさん」像 ベルンハルト・ラウアー(橋木郁子 訳)
「白雪姫」と近親相姦 浜本隆志
巖谷小波とグリム童話―「小雪姫」をめぐって 前田陽子
朝倉めぐみと中里研の世界―グリム兄弟協会主催による日本人初のグリム童話展 沖島博美

Ⅱ グリム兄弟を考える
幕末にヤーコプ・グリムを訪問した日本人について 野口芳子
歴史を伝える〈もう一つの真実〉のメディア―近代批判としてのグリム兄弟の〈叙事ポエジー〉概念 村山功光
ロマニストとしてのヤーコプ・グリム―古スペイン語ロマンセへの関心 横道誠

Ⅲ モティーフの変遷と展開を考える
グリム兄弟、ゲーテ、コサン・ド・ペルスヴァル―アラビアンナイトと異文化理論 ルース・B・ボッティックハイマー(稲毛理津子/野口芳子 訳)
殺された子どもの行方―昔話「継子と鳥」とATU720類話にみる〈あわい〉存在としての子ども 鵜野祐介
ジョージ・ピールの『老婆の昔話』におけるふたつのモチーフ―死者の恩返しと井戸の中の頭 前原澄子

Ⅳ 社会的役割と家族のかたちを考える
おとぎ話とフェミニズム童話 谷口秀子
「新しい女」とイギリス世紀末文学 玉井暲
女性のキャリアと金融リテラシー―スミス・カレッジの金融教育からの示唆 西尾亜希子
父親像からみた『花木蘭』―叙事詩から演劇へ 中山文
ドイツの現代伝説における父親像と母親像 金城ハウプトマン朱美

Ⅴ 表象文化とその連続性を考える
テレビ映画『ニーベルングの指環』―ニーベルンゲン伝説の現在の姿 齊藤公輔
怪物のうごめく海で―古代~中世ヨーロッパにおける「ひとと水族の関係史」 溝井裕一
花と妖精のヨーロッパ―挿絵が誘う「もうひとつの世界」 大野寿子

Ⅵ グリム研究者野口芳子について
ふたりのグリム研究者、ハインツ・レレケと野口芳子―訳者解題 横道誠
「学び」がもたらす「笑顔」について 島田芽実
野口先生との思い出 中村早希
論評『グリム童話と魔女』に寄せて 下程息

エピローグ
野口芳子先生のご活躍を祈念して 竹原威滋

おわりに 大野寿子
プロフィール

大野寿子(おおの・ひさこ)
東洋大学文学部教授。専門はドイツ文学・民俗学。グリム童話を中心としたグリム兄弟の業績を、文献学的立場から研究。研究テーマは、森と人間との関わりなど。
主な著書に、『黒い森のグリム―ドイツ的なフォークロア』(単著、郁文堂、2008年)、『超域する異界』(編著、勉誠出版、2013年)、『カラー図説 グリムへの扉』(編著、勉誠出版、2015年)など。

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