イヌカラミタジンルイシ

犬からみた人類史

大石高典・近藤祉秋・池田光穂 編
ISBN 978-4-585-23070-0 Cコード 1039
刊行年月 2019年5月 判型・製本 A5判・並製 480 頁
キーワード 文化史,民俗学

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

 品切 
書籍の詳細
犬をめぐる刺激的な思考実験の旅!

人は最も身近なパートナーである犬と、どのようにして関係を築いてきたのか?進化生物学から、文化人類学、民俗学、考古学、実際の狩猟現場……、過去から未来まで、様々な角度からとらえた犬の目線で語られる、「犬好きの、犬好きのための、犬好きの執筆陣による」全く新しい人類史!!

★京都大学総長 山極壽一氏 推薦!
人間の最初の伴侶となった犬は、人間に従うだけでなく、われわれの暮らしや思考様式を大きく変えた。極北の犬ぞりから東南アジアの犬肉食まで、ときにはかけがえない友や愛人として、ときには殺しあう敵として、人間が直面した多くの難題を乗り越えてきた。不確かな未来を迎えて、これから犬と人間はどこに向かうのだろう。犬の視点から人間の過去と未来を描いて見せた本書は、まさに「犬革命」と呼ぶにふさわしい壮大なドラマだ。

◆オンラインコンテンツは以下からダウンロードできます。
『犬からみた人類史』グロッサリー
研究会の記録

◆刊行記念特集「私たちはいかに犬と生きてきたか、これからどう生きていくのか」のページはこちらから

 

 

目次
序章 犬革命宣言―犬から人類史をみる

第1部:犬革命
第1章 イヌはなぜ吠えるか―牧畜とイヌ 藪田慎司
第2章 犬を使用する狩猟法(犬猟)の人類史 池谷和信
第3章 動物考古学からみた縄文時代のイヌ 小宮孟
第4章 犬の性格を遺伝子からみる 村山美穂
第5章 イヌとヒトをつなぐ眼 今野晃嗣
第6章 犬祖神話と動物観 山田仁史
【コラム1】文明と野生の境界を行き来するイヌのイメージ 石倉敏明
【コラム2】人と関わりをもたない犬?―オーストラリア先住民アボリジニとディンゴ 平野智佳子

第2部:犬と人の社会史
第7章 カメルーンのバカ・ピグミーにおける犬をめぐる社会関係とトレーニング 大石高典
第8章 猟犬の死をめぐる考察―宮崎県椎葉村における猟師と猟犬の接触領域に着目して 合原織部
第9章 御猟場と見切り猟―猟法と犬利用の歴史的変遷 大道良太
第10章 「聞く犬」の誕生―内陸アラスカにおける人と犬の百年 近藤祉秋
第11章 樺太アイヌのヌソ(犬ぞり) 北原次郎太
第12章 忠犬ハチ公と軍犬 溝口元
第13章 紀州犬における犬種の「合成」と衰退―日本犬とはなんだったのか 志村真幸
第14章 狩猟者から見た日本の狩猟犬事情 大道良太
【コラム3】南方熊楠と犬―「犬に関する民俗と伝説」を中心に 志村真幸

第3部:犬と人の未来学
第15章 境界で吠える犬たち―人類学と小説のあいだで 菅原和孝
第16章 葬られた犬―その心意と歴史的変遷 加藤秀雄
第17章 犬をパートナーとすること―ドイツにおける動物性愛者のセクシュアリティ 濱野千尋
第18章 ブータンの街角にたむろするイヌたち 小林舞・湯本貴和
第19章 イヌとニンゲンの〈共存〉についての覚え書き 池田光穂
【コラム4】イヌのアトピー性皮膚炎 牛山美穂
【コラム5】シカ肉ドッグフードからみる人獣共通のウェルビーイング 立澤史郎・近藤祉秋

あとがき
執筆者一覧
索引
グロッサリー(オンラインコンテンツ)
プロフィール

大石高典(おおいし・たかのり)
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター・講師。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。
主な著書・論文に『民族境界の歴史生態学―カメルーンに生きる農耕民と狩猟採集民』(2016年、京都大学学術出版会)大石高典「コンゴ盆地におけるピグミーと隣人の関係史――農耕民との共存の起源と流動性」(池谷和信編『狩猟採集民からみた地球環境史――自然・隣人文明との共生』東京大学出版会、2017年)、「市場のアフリカ漁民たち――コンゴ共和国ブラザビル市のローカル・マーケットの観察から」(今井一郎編『アフリカ漁民文化論』春風社、2019年)などがある。

近藤祉秋(こんどう・しあき)
北海道大学アイヌ・先住民研究センター・助教。専門は文化人類学、アラスカ先住民研究。
主な著書・論文に『人と動物の人類学』(春風社、2012年)、「ボブ老師はこう言った:内陸アラスカ・ニコライ村におけるキリスト教・信念・生存」(『社会人類学年報』43号、弘文堂、2017年)などがある。

池田光穂(いけだ・みつほ)
大阪大学COデザインセンター教授・副センター長。専門は文化人類学、医療人類学、中米民族誌学、コミュニケーションデザイン。
主な著書に『実践の医療人類学』(世界思想社、2001年)、『看護人類学入門』(文化書房博文社、2010年)『コンフリクトと移民』(大阪大学出版会、2012年)などがある。

書評・関連書等

・「J-cast デイリーBOOKウォッチ」(2019年6月11日)に書評が掲載されました。
・「日本経済新聞」(2019年7月13日)読書欄に書評が掲載されました。(評者:管啓次郎(比較文学者))
・「東京新聞」(2019年8月4日)に紹介文が掲載されました。
・「週刊読書人」(2019年8月23日)に書評が掲載されました。(評者:飯嶋秀治(九州大学人間環境学研究院准教授))
・「クアドランテ」No.22(2020年3月)に紹介記事が掲載されました。
・「霊長類研究」36巻1号に書評が掲載されました。(評者:斎藤慈子(上智大学))*書評は以下URLよりお読みいただけます(https://www.jstage.jst.go.jp/article/psj/advpub/0/advpub_36.002/_pdf/-char/ja
・「地球研ニュース」No.81に書評が掲載されました。(評者:真貝理香(総合地球環境学研究所))*書評は以下URLよりお読みいただけます(15ページ目)(https://www.chikyu.ac.jp/publicity/publications/newsletter/img/newsletter_81.pdf)
・「アジア・アフリカ地域研究」2020年 第20-1号に、書評が掲載されました。(評者:樺澤麻美(京都大学アフリカ地域研究資料センター))*書評は以下URLよりお読みいただけます(17ページ目)(https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/dl/publications/no_2001/6_UI0237_BookReview.pdf)
・「文化人類学」第87巻2号(2022年9月)に書評が掲載されました。(評者:田中瑠莉(京都大学大学院))

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