ムロマチジダイノオンミョウドウトジインシャカイ

室町時代の陰陽道と寺院社会

木村純子 著
ISBN 978-4-585-22900-1 Cコード 3021
刊行年月 2012年2月 判型・製本 A5判・上製 696 頁
キーワード 民俗学,仏教,日本史,古代,中世

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細
多角的視点から中世陰陽道の実態を探る

本書は、陰陽道研究史上の重要な課題である中世陰陽道の実態について、その社会的役割と近世への連続性を念頭に置き、如何なる形で陰陽道が存続するに至ったのかを論じるものである。
古代日本において、陰陽寮は、中国から数多の知識・技能等を受容し、国家機構に組み込む過程で成立した。その後、陰陽・天文・暦の三部門を中核とし、「陰陽道」と称される日本独自の大系へと発展を遂げる。
この古代から近世に至る発展の実態については、様々な角度から研究されてきたものの、 中世(室町中後期を中心)から近世への移行期について、今なお未解明の問題が残されている。
そこで本書では、これまで看過されてきた寺院史料や新出史料・未刊史料など、多角的な資料を積極的に活用することで、室町時代の基礎的史料を広く提供し、総合的な分析から陰陽道研究における新たな視座を提示した。

 

 

目次
序 論
 はじめに
 第一節 古代中世の陰陽道と研究史概観
 第二節 陰陽道の構成要素
 第三節 本書の目的及び構成

第一部 室町時代の陰陽寮
 第一章 室町時代の陰陽寮官人
  はじめに
  第一節 室町時代の陰陽頭
  第二節 陰陽寮の構成要員
  第三節 陰陽寮官人の盛衰
  おわりに

 第二章 陰陽道家賀茂氏・安倍氏の分派
  はじめに
  第一節 安倍氏の分流
  第二節 賀茂氏の分流
  第三節 分派の維持と断絶
  おわりに

 第三章 陰陽寮官人の活動・経済基盤
  はじめに
  第一節 陰陽寮官人の「窮困」
  第二節 陰陽寮官人の邸宅と所領
  第三節 諸陵頭賀茂氏と諸陵領
  おわりに

第二部 室町時代の陰陽道
 第一章 日時勘申
  はじめに
  第一節 日時勘申の実態
  第二節 日時勘申の受用
  第三節 陰陽道知識の共有
  おわりに

 第二章 陰陽道祭
  はじめに
  第一節 室町時代の陰陽道祭
  第二節 陰陽道祭の盛行
  第三節 祈禱機能の分掌
  おわりに

第三部 陰陽道と寺院社会
 第一章 中世醍醐寺と陰陽道
  はじめに
  第一節 醍醐寺と陰陽師
  第二節 醍醐寺と安倍有世
  第三節 「大地震記」
  おわりに

 第二章 中世東寺と陰陽道
  はじめに
  第一節 東寺における活動
  第二節 「廿一口供僧方評定引付」にみる陰陽師
  第三節 東寺と陰陽師
  おわりに

 第三章 中世興福寺と幸徳井家
  はじめに
  第一節 中世幸徳井家
  第二節 興福寺における活動
  第三節 南都と幸徳井家
  おわりに

結 論

宮内庁書陵部所蔵「陰陽家系図」
 安倍氏
 賀茂氏

あとがき

成稿一覧

索 引
プロフィール

木村純子(きむら・すみこ)
1976年福岡県に生まれ。
1999年日本女子大学文学部史学科卒業。2008年日本女子大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期修了。博士(文学)。
主要論文に、「大乗院尋尊と幸徳井家―『大乗院寺社雑事記』と『大乗院寺社雑事記紙背文書』―」(『古文書研究』第62号、2006年9月)。

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