生命科学と現代社会
シュクショウスルニホンシャカイ

縮小する日本社会

危機後の新しい豊かさを求めて
佐藤洋一郎 監修/香坂玲 編集
ISBN 978-4-585-24302-1 Cコード 3060
刊行年月 2019年10月 判型・製本 四六判・上製 264 頁
キーワード 現代社会,社会学

定価:3,740円
(本体 3,400円) ポイント:102pt

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書籍の詳細

「縮小」と豊かさの萌芽―

人口減少とそれに伴う日本社会の産業や消費の縮小は、地域社会や都市圏に広がっており、日本の国内では生産の現場と担い手が大きく変容している。例えば「里地」が「里山」に、「里山」がもののけ姫の世界である「奥山」になろうとしている。
社会全体がシュリンクするという、今までにはなかった状況のなかで、獣害、生産人口減少、サプライチェーンの崩壊などが連動して起きる可能性が指摘されている。
しかし一方で、ビッグデータを用いた国土計画、市民とともに取り組む都市の農業・地域の再生、農産物のブランド化や伝統産品の輸出戦略など、新しい方向性も次々に生まれている。
本書は社会の転換を、地域社会、地方都市などさまざまな地域と方法論から分析を試み、食の生産のゆくえを見定めるとともに、地域のブランド化・ブランド産品に代表されるような新たな生産のあり方を探り、縮小期において豊かさを享受する方法の提案を行っていく。

 

 

目次
はじめに―縮小と豊かさの萌芽  香坂玲
序 論 縮小社会と奥山  佐藤洋一郎
座談会 縮小する生産の現場と現代日本社会 佐藤洋一郎・香坂玲・飯田晶子・内山愉太・岸岡智也・神代英昭・徳山美津恵
第一章 縮小する都市から考える「農」ある豊かな暮らし  飯田晶子
第二章 人口減少期の国土計画―ストーリーからデータへ  内山愉太
第三章 縮小する生産現場と獣害  岸岡智也
第四章 縮小する生産の再生―伝統野菜から  中村考志
第五章 農業を起点とするプレイス・ブランディングの可能性―丹波市のブランド資産とブランド構造に関する検討  徳山美津恵
第六章 地域資源・産品の知識から考える縮小とその共有化と継承への課題  香坂玲
プロフィール

佐藤洋一郎(さとう・よういちろう)
京都府立大学教授、総合地球環境学研究所名誉教授。専門は植物遺伝学。
1952年生まれ。京都大学大学院農学研究科修了。
主な著書に、『森と田んぼの危機』(朝日新聞社、1999年)、『イネの歴史』(京都大学学術出版会、2008年)、『食の人類史』(中央公論新社、2016年)など。

香坂玲(こうさか・りょう)
名古屋大学大学院環境学研究科教授。専門は農林分野の資源管理論。
1975年生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修了、独フライブルク大学にて博士号(理学)取得。
主な著書に、『地域再生―逆境から生まれる新たな試み』(岩波書店、2012年)、『生物多様性と私たち―COP10から未来へ』(岩波書店、2011年)など。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「公明」(2020年1月1日)に編者インタビューが掲載されました。
「日本農業新聞」(2020年1月19日)に書評が掲載されました。

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