ブントショ

文と書

中国書字思想の探究
亀澤孝幸 著
ISBN 978-4-585-37008-6 Cコード 3071
刊行年月 2023年3月 判型・製本 A5判・上製 288 頁
キーワード 書道,美術,漢文,中国

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
「文字を書くこと」の思想体系を探る―

近代以前の中国において、「書」は文学や絵画と並ぶ最高の芸術とみなされていた。
文字をつかさどることは世界の統治と同等の意味を有し、この根源的な政治性とあいまって、文字や言葉を記す「書」は中国文化における重要な地位を占めるに至った。
書論のみならず文字学、言語哲学、文学論、画論など文字や書くことに関する諸種のテクストを相互に接続、交差させることで、「文字を書くこと」に関する思想―書字思想の体系を明らかにする。
近代以降に形成された造形芸術としての片面的な評価を改め、「書字」という人間の普遍的な営みから「書」の意義を捉えかえす意欲作。

 

 

目次
序論
 一 本書の主題
 二 造形芸術としての書への批判
 三 言語に根ざす書
 四 中国書字思想の探究
 五 本書の構成

第一章 言葉・文字・書
 一 文字と権力
 二 声の文化と文字の文化
 三 共通語としての漢字・漢文
 四 「史」と書字
 五 言葉への怖れ
 六 書字の蔑視
 七 張懐瓘の書字思想

第二章 文の起源
 一 〈文〉の概念体系
  1 文字
  2 文様
  3 文章・書物・学問
  4 色彩
  5 音声・音楽
  6 まじわること
  7 本質の外面的なあらわれ
  8 かざり・形式
  9 文化・礼楽制度・儀礼
  10 文徳(文治の徳)
 二 殷代甲骨・金文にみえる〈文〉
 三 西周金文にみえる〈文〉
 四 『尚書』にみえる〈文〉
 五 『詩経』にみえる〈文〉
 六 〈文〉と祖先崇拝

第三章 文と書の芸術化
 一 芸術と理論
 二 文と詩
 三 永明文学と永明書学
 四 書の美学の確立
  1 王献之と羊欣
  2 王僧虔
  3 「工夫」の肯定
  4 王僧虔『論書』のテクストが孕む問題
  5 蕭子良と梁武帝

第四章 風骨の美学
 一 美学概念としての「風骨」
 二 魏晋南北朝から唐末までの「風骨」の用例
 三 「風骨」の美学の形成
 四 劉勰の「風骨」論
 五 張懐瓘の「風骨」論
  1 書論論を貫く「風骨」の美学
  2 張懐瓘の書論にみえる「風骨」
  3 「風神」
  4 「風骨」と尚古主義
  5 四賢論の系譜
  6 形骸化した王羲之書法への批判
 六 唐代文学に受け継がれた「風骨」

第五章 文・書・画の理論的統合―劉勰・張懐瓘・張彦遠
 一 劉勰の文論
 二 張懐瓘の書論
 三 張彦遠の画論
  1 張懐瓘と張彦遠
  2 書画同体論
  3 画聖・呉道玄と「山水の変」
  4 画の社会的地位

参考文献一覧
あとがき
初出一覧
索 引
プロフィール

亀澤孝幸(かめざわ・たかゆき)
1978年、愛知県生まれ。立命館大学文学部文学科英米文学専攻卒業。大東文化大学大学院文学研究科書道学専攻博士課程前後期課程修了。博士(書道学)。大東文化大学文学部中国文学科助教などを経て、現在、立正大学文学部文学科日本語日本文学専攻コース特任講師、大東文化大学文学部中国文学科非常勤講師、同大学書道研究所兼任研究員、人文科学研究所兼任研究員。
専門は中国書道史・書論。
訳書に中国国家文物鑑定委員会編『中国文化財図鑑 第六巻 文房具』(翻訳・監修、科学出版社東京、2016年)、劉濤『中国書法史入門』(科学出版社東京、2021年)がある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「漢字之窓」第5巻第1号(通巻9巻)(2023年6月)にて紹介されました。
「美術新聞」(2023年9月5日、8面)「話題の本」にて紹介されました。

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