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室町時代史研究における第一級史料『看聞日記』。その日記には貧乏な皇族・伏見宮貞成が京都近郊の村落・伏見に移り住んで見聞きした中世社会のありようが事細かに記録されている。将軍足利義教が暗殺された嘉吉の乱の内幕、僧侶の犯罪、猿楽の鑑賞や酒宴、怪異や怨霊と陰陽師の活躍など―。33年分の日記のなかから、政治・思想・社会・文化・習俗に関する興味深いエピソードを選出。読みやすい現代語訳とわかりやすい解説で楽しむ一冊。
薗部寿樹(そのべ・としき)1958年東京都品川区生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻 単位取得退学。博士(文学)[筑波大学]。現在は山形県立米沢女子短期大学名誉教授。中央大学文学部兼任講師。主な著書に『日本中世村落内身分の研究』(校倉書房、2002年)、『村落内身分と村落神話』(校倉書房、2005年)、『日本の村と宮座―歴史的変遷と地域性―』(高志書院、2010年)、『中世村落と名主座の研究―村落内身分の地域分布―』(高志書院、2011年)、『日本中世村落文書の研究』(小さ子社、2018年)がある(いずれも単著)。