アジア遊学144
ミナカタクマグストアジア

南方熊楠とアジア

田村義也・松居竜五 編
ISBN 978-4-585-22610-9 Cコード 1323
刊行年月 2011年8月 判型・製本 A5判・並製 256 頁
キーワード 交流史,民俗学,西洋,アジア

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細

南方熊楠(1867-1941)は、幼少時から本草学など東アジアの学問を学んだ後、米国および英国にわたり、研鑽を積んだ。
在英時代以来後年まで書き続けられた英語論文や帰国後の日本語論文、そして膨大に残された書簡類からは、古今東西の文献を用いた独自の比較民俗学的観点や、その領域横断的な関心を垣間見ることができる。
本書では、西洋および東アジアのみならず、東南アジア、インド、中近東など広範囲にわたる熊楠の学問の射程のなかでも、特に熊楠のアジアに対する視線を再検証し、その学問を思想史の中に位置づけるとともに、近代日本の一知識人のアジア観に関する新たな視角を示す。

 

 

目次
◆緒言 南方熊楠の現在―資料刊行の進行と南方像の変遷 田村義也

◆座談会 南方熊楠とアジア 飯倉照平、小峯和明、奥山直司、田村義也(司会)

◆東アジア的「知」と学問
 南方熊楠・東アジアへのまなざし 小峯和明
 「都会っ子」としての南方熊楠 ―東アジア的「知」との邂逅 武内善信
 南方熊楠と中国書 飯倉照平
 コラム 南方熊楠と漢籍―南方熊楠邸での漢籍調査に従事して 池田 宏
 南方熊楠の比較説話をめぐる書き込み
  ―『太平広記』、『夷堅志』と『今昔物語集』とのかかわりを中心に 高 陽
 『沙石集』と南方熊楠 平川恵実子

◆西欧近代学問との邂逅
 南方熊楠と英国の日本学 小山 騰
 『ネイチャー』誌論考の中のアジア―南方熊楠の最初期英文論考 田村義也
 『ノーツ・アンド・クエリーズ』誌掲載論文の中のアジア 志村真幸
 図書館の中のユーラシア大陸――南方熊楠「ロンドン抜書」における旅行書 松居竜五
 南方熊楠・土宜法龍とチベット
  ―一八九三年~一八九四年における往復書簡を中心に 神田英昭
 南方熊楠と十九世紀ヨーロッパのインド学 奥山直司
 南方熊楠の夢の世界 唐澤太輔
 知識の泉としての『アラビアン・ナイト』― バートン版と南方熊楠 杉田英明
 南方熊楠の比較説話研究とW・A・クラウストン
  ―”Popular Tales and Fictions”の受容をめぐって 増尾伸一郎

◆近代東アジアへのまなざし
 アジアにおける普遍性―南方熊楠とベノイ・サルカル ブリジ・タンカ
 南方熊楠と孫文―交錯するアジアへのまなざし 武上真理子
 南方熊楠の朝鮮半島へのまなざし 橋爪博幸
 在英日本人表誠金献納始末―日清戦争と南方熊楠 岸本昌也
 新聞「日本」と南方熊楠 附・全集未収録論考「神前女子不脱帽一件」 千本英史

◆熊楠の思想と生活
 コラム 南方熊楠の稚児論 辻 晶子
 コラム 南方熊楠とその門弟 広川英一郎
 コラム 南方熊楠と温泉 安田忠典

◆博物館紹介
 南方熊楠記念館/南方熊楠顕彰館―一次資料を所蔵・展示する二施設 田村義也
◆書籍紹介
 新しい『南方熊楠大事典』から始まる新しい南方熊楠研究 松居竜五
書評・関連書等

「読売新聞」(2011年11月13日)の「本よみうり堂」欄にて、本書が紹介されました。(評者:前田耕作(和光大学名誉教授))

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