パリニシス

巴里に死す

芹沢光治良 著
ISBN 978-4-585-29025-4 Cコード 0093
刊行年月 2012年2月 判型・製本 四六判・並製 296 頁
キーワード 近現代

定価:1,980円
(本体 1,800円) ポイント:54pt

 品切 
書籍の詳細
大江健三郎、遠藤周作が絶賛し、日本国内のみならずフランスを中心にヨーロッパで激賞されノーベル賞候補作にもなった名作が現代に甦る。

ノーベル賞候補作にも挙げられ、フランスをはじめヨーロッパ各国で高い評価を受けた代表作を、著者自身が最後に校閲した最良のテキストを用いて復刊。国内のみならず、パリでの評判が理解できる現地紙の書評・解説から、仏語化の経緯を詳しく記したダヴッド社版文庫本掲載の「あとがき」、親交の深い作家・大江健三郎と遠藤周作による芹沢文学論と、最新の年譜を付す。

(あらすじ)
1920年代の美しい巴里。
夫に伴われた留学先で、伸子は愛する娘を恵まれながら、結核に倒れる。
母亡き後の娘を憂い、伸子は闘病の日々を三冊のノートに綴る。
夫のかつての恋人を知り、嫉妬する伸子。優しい夫に相応しい、知的で自立する女性になろうと精進する伸子。子供を身ごもり、命と引き替えにしても産み育てようと決意する伸子。そして、厳しい療養生活の中で、別れて暮らす娘の成長を祈る伸子。
20年後、結婚した娘は母の遺した記録を読む。娘は「ポーブル・ママン」(おいたわしいお母様)と、母の願ったような女性になろうと思う。
不幸な運命の淵にあって告白された、愛と知の苦悩の内に成長した女性の悲しく美しい魂の記録。

 

 

目次
(本 編)
巴里に死す

(付 録)
あとがき 芹沢光治良
日本からの声 ヌーヴェル・リテレール書評記事(芹沢文子・岡玲子(訳))
戦後訳された初めての日本小説―『私はパリに行って死にましょう』アーツ書評記事(芹沢文子・岡玲子(訳))
解説 遠藤周作
人性批評家(モラリスト)の文学―芹沢光治良の生涯の独特さ 大江健三郎
芹沢光治良略年譜 勝呂奏(編)
プロフィール

芹沢光治良(せりざわ・こうじろう)
1896(明治29)年5月4日生。1993(平成5)年3月23日、満96歳没。東京帝国大学経済学部卒。静岡県沼津市名誉市民。
静岡県駿東郡楊原村我入道(現在の沼津市我入道)に父・常蔵(後に常晴と改名)、母・はるの子として生まれる。1930(昭和5)年、療養中の体験に基づいた作品『ブルジョア』が、「改造」の第3回目の懸賞小説に一等当選し文壇に登場。1943(昭和18)年刊行の代表作『巴里に死す』は森有正によってフランス語訳(1953(昭和28)年)され、1年で10万部のベストセラーとなり、ヨーロッパで高い評価を受ける。日本ペンクラブ会長、文芸家協会理事、ノーベル文学賞推薦委員、日本芸術院会員など数多くの役職を歴任、日本文芸の普及に貢献した。

書評・関連書等

・「静岡新聞」(2012年2月20日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「東京新聞(夕刊)」(2012年2月20日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「沼津朝日」(2012年2月23日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「沼津朝日」(2012年2月24日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「しんぶん赤旗」(2012年5月20日)にて、本書の書評が掲載されました。

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