コウショウシンワデンセツノショソウ

口承神話伝説の諸相

丸山顕徳 著
ISBN 978-4-585-22027-5 Cコード 3020
刊行年月 2012年3月 判型・製本 A5判・上製 408 頁
キーワード 民俗学

定価:10,780円
(本体 9,800円) ポイント:294pt

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書籍の詳細
口承神話研究から、日本文化を解明する手掛かりを提出し、その深さに迫る

第一編では、記紀成立以前の姿を伝える沖縄地方の口承神話を中心に、多様な日本文化の古層に環太平洋文化があるという考えから、沖縄地方の神話世界が環太平洋文化と東アジアの交点にあり、日本文化の流れと基層について重要な問題を提起していることについて詳しく論考。
第二編では、未開拓研究分野といえる大和地方を中心に、近畿地方で長年にわたり行なってきた民話の調査について、その研究成果を報告。
第三編では、神話・説話の視点から日本文化の問題に言及した。

 

 

目次
はじめに

第一編 沖縄地方の口承神話
 第一章 沖縄諸島の起源神話
 一 伊江島の起源神話
 二 宮古島の起源神話
 三 池間島の起源神話
 四 八重山の起源神話
 五 沖縄諸島の兄妹始祖神話
 六 沖縄神話のおさな神

 第二章 沖縄の天空神話
 一 宮古地方の太陽の神話
 二 八重山諸島の星の神話
 三 沖縄諸島の光と闇の神話
 四 沖縄の海の文芸――昔話から
 五 南島の伝説

第二編 近畿地方の民話
 第一章 歪められた民話
 一 恩を仇で返された家――大淀の幽霊マンション
 二 恩を仇で返された村――笠置町飛鳥路
 三 うみを渡る女

 第二章 奈良県内の調査報告
 一 東吉野村の民話
 二 吉野町の民話
 三 奈良市の民話

第三編 神話研究と日本人論
 第一章 古代神話と海山
 一 稲羽の素兎の神話
 二 山の伝承と龍蛇神話
 三 尻尾のある国つ神の神話
 四 三輪山神話

 第二章 神話・伝説と日本人の心
 一 神話の力――循環する世界
 二 近代化と神話的思考
 三 霊異記にみる日中の霊魂観の違い

あとがき

初出一覧

索引(神名・人名・地名・話型名・事柄・モチーフ)
プロフィール

丸山顕徳(まるやま・あきのり)
1946年生まれ。花園大学文学部教授。文学博士。専攻は、日本古代文学・日本民俗学。環太平洋神話研究会幹事。
著書に、『沖縄の民話と他界観』(海鳴社、1983年)、『日本霊異記説話の研究』(桜楓社、1992年)、『沖縄民間説話の研究』(勉誠社、1993年)、『古代文学と琉球説話』(三弥井書店、2005年)がある。また、編著に『キャリアアップ国語表現法』(嵯峨野書院、1997年)、『新編これからの日本文学』(金壽堂出版、2004年)など多数。

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