カートは空です。
商品1444/2194
小さな食料品店を営む母と、電気工事士の父が丁寧に並べる白い卵。貧しくとも暖かかった日本の家族の原型と、なにより母への追憶を描く『卵洗い』『母の乳房』の二作品。そして、青春時代の混沌と彷徨を再び描いた長篇『鳥の道』。歴史に材をとった長大な小説を描き始める直前、作家は自らの生を史的な視点から眺望し、歴史の中の個人の営みを描くことで、跳躍のための力を溜めていた。