ヒャクモノガタリゼンチュウシャク

百物語全注釈

小川武彦 著
ISBN 978-4-585-29043-8 Cコード 3091
刊行年月 2013年3月 判型・製本 A5判・上製 968 頁
キーワード 古典,江戸,近世

定価:27,500円
(本体 25,000円) ポイント:750pt

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書籍の詳細

仮名草子作品は、作品紹介に重点が置かれ、本文研究は未だしの感があった。
この度初めて緻密な本文校訂と注釈・口語訳なされた画期的な出版。

*『百物語』とは・・・
百物語は、日本の伝統的な怪談会のスタイルの一つ。話を百話続け終わると、怪(かい)が現れるとされる。
本書はそれを踏まえてパロディ化、百話の笑話に取りなしたもの。一般的な笑話もあるが、有名歌人や詩人の逸話なども多く収録されている。室町時代から近世初期の諸書にある類和も多く、五山の僧侶に関する話も多くある。
作者は未詳であるが、五山の僧侶、又はそれに近い者と考えられている。


*本書の特色
・底本は、信頼すべき万治二年刊本を使用した。
・本文は、校訂は原文本文を第一義に考え、漢字・ルビ等、本文そのままとしたが、通読の便を図るため、本文右傍らに「振り漢字」を当てるとともに、適宜段落分け・読点を施し、会話文には「 」を付し、口語訳を付した。
・注釈は、『文明本節用集』『易林本節用集』『合類節用集』等の諸節用集、当時の仮名遣書、同時代の諸作品を通覧し、綿密な語句の注釈を行った。
・巻末には、要語索引を付した。

 

 

目次
百物語巻之上目録
一 手習のしやうの事 
二 小僧問答の事
三 麹売の事 
四 観音地蔵鰌ふむ事
五 煮餅の事 
六 空気名を改事
七 赤松問答の事 
八 白犬をつかむ事
九 楽天が三儀の事 
十 黄金一枚取事
十一 見ぬ京物語の事 
十二 鄙下の掌
十三 李白酒の詩の事 
十四 宗閑が額の事
十五 三子の三望の事 
十六 一休の狂哥の事
十七 尊氏発句の事 
十八 幽斎の付合の事
十九 一休鮹食し事 
二十 茶堂眠し事
二十一 語ほど読る事 
二十二 雪の尺さす事
二十三 時の用に鼻かく事 
二十四 奴誹諧の事
二十五 世を恨し詩の事 
二十六 恙の故事
二十七 火廻の事 
二十八 火本問に走る事
二十九 諸宗誹諧の事 
三十  遊行の哥の事
三十一 入麺振舞の事 
三十二 念を入過す事
三十三 達磨宗道哥の事 
三十四 人に異名付る事
三十五 木かと思はする事 
三十六 柿蔕ひろふ事
三十七 三个好の事 
三十八 珍敷よみある詩の事
三十九 貧僧三物の事 
四十  策彦紹巴付合の事
四十一 弘法十首の歌の事 
四十二 有無の哥の事
四十三 雉に道心発さする事 
四十四 喧嘩売の事
四十五 文盲字参談の事 
四十六 寺と山と狂句の事
四十七 三貝口説の事 
四十八 はね字の典楽食の事
四十九 酒屋分字の旗の事 
五十 徹書記は定家の再来の事

百物語巻之下目録
一 返歌連句付にする事  
二 春過の歌ほんあんの事
三 薬罐で蛸にる事     
四 山椒にむせる事
五 箱根坂狂歌の事     
六 長刀指になはるる事
七 博奕うちの事       
八 児柚をもらふ事
九 紹巴花林の事       
十 宗砥石山発句の事
十一 横川若王寺狂句の事
十二 盗人にお湯の事
十三 掛ねをいふ事
十四 銭の異名の事
十五 喧嘩うつる事
十六 徹書記ながさるる事
十七 春秋のあらそひの事
十八 王荊公桜の詩の事
十九 聾正直の事
二十 時の用に鼻さへかく事
二十一 風呂へ入かねし事
二十二 眠入着物尋る事
二十三 貞徳粽送歌の事
二十四 富士山詩歌の事
二十五 夢窓嵐山の歌の事
二十六 蛸食の事
二十七 りくつものの事
二十八 はかなき物語の事
二十九 ばこ十首の歌の事
三十  同字五つ重し狂句の事
三十一 広沢月見の事
三十二 まんぢうの名を問)事
三十三 浮蔵主の事
三十四 柄漏の事
三十五 葉流詞の誹諧の事
三十六 即心是仏の分字の事
三十七 離別の詩歌の事
三十八 狐志佞の事
三十九 開元の銭の事
四十  たうごせうの秀句の事
四十一 鶯宿梅の事
四十二 家隆定家掛歌の事
四十三 名誉の狂句の事
四十四 塞翁が事
四十五 八の頭はやうつ事
四十六 朝三暮四の事
四十七 猿に似たる人の事
四十八 小判ひろいし事
四十九 鼠蛙同心の事
五十 しぶかたひらの事

解説

要語索引
プロフィール

小川武彦(おがわ・たけひこ)
元・跡見学園女子大学教授。米国ハ-バ-ド大学・ライシャワー研究所研究員を歴任。
著書に『石川丈山年譜・本編』(石川勇と共著、青裳堂書店、1994年)、『石川丈山年譜・附編』(石川勇と共著、青裳堂書店、1996年)、『浅井了意全集』仮名草子篇 第一巻(湯浅佳子他一名と共編、岩田書院、2007年)、『仮名草子集成』第四十三(花田富士夫他一名と共編、東京堂出版、2008年)、『浅井了意全集』仮名草子篇 第二巻(柳沢昌紀他一名と共編、岩田書院、2011年)など。

書評・関連書等

近世初期文芸研究会発行の「近世初期文芸」第30号にて、本書の書評が掲載されました。

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