ショヨトジユウ

所与と自由

近現代文学の名作を読む
細谷博 著
ISBN 978-4-585-29051-3 Cコード 1095
刊行年月 2013年1月 判型・製本 A5判・上製 512 頁
キーワード 評論,近現代

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
語りつくせぬものとしての〈読み〉に迫る

近現代文学を代表する作家たちの作品を、読者はどのように〈読む〉ことができるのか― 森鴎外の〈もどかしさ〉、夏目漱石の〈おかしみ〉、小林秀雄の〈文体〉、太宰治の〈語り〉、三島由紀夫の〈はじま り〉、村上春樹の〈神秘〉…。所与としての本文を前に、読むことの自由を模索する。

 

 

目次
はじめに―所有と自由

Ⅰ
「舞姫」の〈近しさ〉―斎藤美奈子・田中実の批判を手がかりに
『雁』の〈もどかしさ〉
『こゝろ』の〈たかまり〉―悲劇性のありか
滑稽小説としての『明暗』
『明暗』という到達点―夏目漱石における笑い

Ⅱ
「城の崎にて」末尾、あるいは反芻と帰還 
『暗夜行路』―継起と受難 
〈自分〉という汽車に乗って―志賀直哉「ある一頁」
志賀直哉と小林秀雄―正対された〈美〉
小林秀雄「三つの放送」と太宰治「新郎」、そしてトシオ・モリ 
いま、「凡夫」小林秀雄をこそ―曾根博義の小林秀雄「三つの放送」批判に答えて
小林秀雄の文体
小林秀雄の「批評」の現代的意義
〈関係〉への架橋の試み―関谷一郎著『小林秀雄への試み』
硬質な読みの冴え―樫原修著『小林秀雄 批評という方法』
「素樸な人間」―佐藤公一著『小林秀雄のコア 文学イデオローグ』

Ⅲ
開かれ、閉じられた「地球図」(太宰治)―小さな白石
太宰治「女生徒」の自立性―『有明淑の日記』との関係で
太宰治「花燭」―〈自己劇化〉と〈言祝ぎ〉
俗中酔興在リ―太宰治「新ハムレット」、「善蔵を思ふ」
〈招かれざる客〉の造形―太宰治「親友交歓」と「黄金風景」そして「饗応夫人」
太宰治一〇〇年、そして松本清張―〈動く孤独〉と〈拡散する孤独〉
太宰治一〇〇年のたまもの

Ⅳ
佐藤春夫「お絹とその兄弟」―囲い込まれた生の感触
「篝火」の中の川端康成―「門がなかつた」の〈孤立〉
「一草一花―「伊豆の踊子」の作者」―自己を問う「作者」
もどかしき〈不在〉―川端作品の魅力
中原中也におけるアニミズム的心性―〈放心〉の歌
爛れのように―徳田秋声『爛』
谷崎文学の今日性―『蓼喰う虫』の“別れる夫婦”
「陰翳」「古典」「病気」―谷崎潤一郎のキーワード
「結婚」―室生犀星のキーワード

Ⅴ
『仮面の告白』の〈ゆらめき〉―「盥のゆらめく光の縁」はなぜ「最初の記憶」ではないのか
『愛の渇き』の〈はじまり〉―テレーズと悦子、末造と弥吉、メディア、ミホ
三島由紀夫『喜びの琴』、〈戯曲読み〉の幻滅と変容―太宰治「トカトントン」との比較をてこに
遠藤周作『留学』―追いつめられた声と渇き
村上春樹『東京奇譚集』―減速された神秘、仕事する者たち

おわりに―あらゆる種類の他人の感情、あらゆる種類の他人の表情に…
プロフィール

細谷 博(ほそや・ひろし)
1949年、千葉県に生まれ東京で育つ。早稲田大学法学部卒。同文学部卒。同大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学、大阪大学)。南山大学人文学部教授。
著書に、『凡常の発見 漱石・谷崎・太宰』(明治書院、1996(やまなし文学賞))、『太宰治』(岩波書店、1998)、『小林秀雄論 〈孤独〉から〈無私〉へ』(おうふう、2002)、『小林秀雄 人と文学』(勉誠出版、2005)。

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