桜圃寺内文庫(おうほてらうちぶんこ)は、朝鮮総督、内閣総理大臣を歴任した寺内正毅の蔵書を基礎として設立された私設図書館である。
特にその朝鮮関連資料は国内有数のコレクションの一つであり、明治の知識人の興味にかかる収集の一例としても特筆すべき資料群である。
本書では、文庫設立の背景や変遷、蔵書の伝来・体系について、各種資料を基に解説、開庫時目録、朝鮮本目録(山口県立大学附属図書館所蔵)・朝鮮古文書目録(同)・写真帳目録(同)、山口県立山口図書館所蔵資料目録、慶南大学校所蔵資料目録を附し、その利用に供するとともに、「桜圃寺内文庫」の歴史的位置づけを明らかにする。
また、特に朝鮮古文書に関しては、全点につき、概要解説・翻刻・影印(一部省略)を掲載した。
国王文書・官府文書・私人文書・古記録類における種々の文書形態を一覧することが出来、古文書学・朝鮮時代後期の研究の基礎資料として有用である。