世界に誇る大長編・大傑作の完全版を初公開!
明治・大正・昭和の激動の世紀に、日本人はいかに苦難と苦悩の道を歩み、希望をつないできたか。時代の証言として描く近代精神史。
ソルボンヌ大学に論文を提出するが、死病の肺結核を患う。妻との不和。スイス療養所での孤独な闘病生活、文学への傾斜。
帰国した日本は深刻な不況と思想の暴風が吹き荒れていた。
周囲に理解されない中で、次郎は経済的自立と文学への孤独の道をあゆむ。
*本巻「人間の運命8 孤独の道―第二部第一巻」は、新潮社版『人間の運命』第二部第一巻「孤独の道」(昭40・6初版、昭44・4刊11刷)の著者訂正本を底本とし、やはり著者の校閲した新潮文庫版『人間の運命(四)』(昭51・2刊)を参照した。著者訂正本の見返しには、「訂正(昭和六十年九月八日終り)とある。(勝呂奏)