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魏晋南北朝期から隋唐期にかけて、仏教は社会の隅々まで浸透し、「仏教社会」と規定できる時代が到来した。6世紀半ば以降の「末法到来」を起点とする時代に、仏教は中国においてどのように変容し、社会・文化に影響を与えていったのか。風雪に耐え、破壊も免れ、後の時代へと仏教信仰の痕跡を伝え続けてきた諸種の仏教石刻に着目することにより、当時の仏教信仰の社会的・歴史的展開を照らし出す。
氣賀澤保規(けがさわ・やすのり)1943年生まれ。明治大学文学部教授・同東アジア石刻文物研究所所長。専門は隋唐政治社会史、東アジア交流史。編著書に『則天武后』(白帝社、1995年)、『中国仏教石経の研究―房山雲居寺石経を中心に―』(編著、京都大学学術出版会、1996年)、『府兵制の研究―府兵兵士とその社会―』(同朋舎(のち京都大学学術出版会)、1999年)、『復刻洛陽出土石刻時地記(郭玉堂原著)―附 解説・所載墓誌碑刻目録』(汲古書院、2002年)、『洛陽学国際シンポジウム報告論文集 東アジアにおける洛陽の位置』(汲古書院、2011年)、『中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐帝国』(講談社、2005年)、『遣隋使がみた風景―東アジアからの新視点―』(編著、八木書店、2012年)などがある。