皇室ジャーナリストが明かす宮中祭祀の全て
「皇室は祈りでありたい」と、天皇は即位から二十五年、皇后ともに常に国民により添い、国家国民の安寧を祈り続けてこられた。
報道によって国民の目に見える祈りとは別に、国民の目に触れることがほとんどないもう一つの天皇の祈りがある。それは天皇が公務とともに大切にされてきた宮中祭祀である。
かつては国家行事であった宮中祭祀が戦後天皇家の私的行事になってしまったために国民にはどの様な祭祀がどのような形で行われ、天皇が何を祈られているのか全く知るすべがなくなってしまった。
このため最近は天皇の御負担軽減の一つとして宮中祭祀そのものを簡素化すべきだという意見さえ出始めている。
たしかに宮中祭祀は秘め事の一面はあるものの、身を清め、祭服に着替えて御自分のことではなく常に国民国家のことを祈り続けるお姿から天皇の深い思いを知れば軽々に論ずべき問題でないことがわかるだろう。その意味からも宮中祭祀の真の姿を知って欲しいと思う。