琉球列島には短詩型叙情歌謡として、8886の音韻律を持つ四句体の琉歌があり、近世末期から琉歌集がつくられている。明治期に沖繩で刊行された『琉球新報』、『沖繩毎日新聞』の明治45年7月までを対象に調査し、15、133首の琉歌を抜き出した。今回はこのうちA)結社詠 B)新派個人詠 C)琉歌大会詠 D)募集詩歌 の四つを取り上げ、整理配列した。これまで、琉歌を見るには大量のマイクロフィルムを調べるしかなく、その全容を知るのはかなり困難であったが、今回これらの資料を整理・刊行したことにより未開拓であったこの分野の研究発展に寄与することとなろう。