足利尊氏・直義、高師直や夢窓疎石など、武家政権創成を担う人びとが多数入首し、来るべき時代を示す画期として、また、持明院統との結びつきを深く有した京極派和歌の達成点を示すものとして位置づけられる『風雅和歌集』。
60点余にわたる諸本を網羅的に博捜・調査し、本文内容の校異を詳細に示し、拠るべき良質の本文を提供する校本を整備。また、諸本の書誌および相互の関係を考察した伝本研究の成果、および『風雅和歌集』撰者であり同時代の京極派和歌を領導した光厳院に関する論考を収載。
書誌学・文献学的視角から中世和歌・京極派の営みを照らす基礎研究。