九世紀おける来航新羅人に焦点を当て、朝鮮半島と日本との交流の実態を明らかにする
国家間の外交交渉が途絶え、商人の交流が活発化していくこの時期に顕著となった不特定多数の新羅人の来航現象が、列島社会をどう変化させていったのか、あるいはそういった変化に対して日本側はどう対応したのか。対新羅政策における対外意識の変化を支配層(国家)のみならず、諸階層の人々から考察。
また、中心と周縁・境界意識といった概念に対する問題提起を行うとともに、排外思想・危機意識・警戒心等に代表される対外認識に関する新解釈を提示する。