ショッカンノブンガクシ

触感の文学史

感じる読書の悦しみかた
真銅正宏 著
ISBN 978-4-585-29116-9 Cコード 1095
刊行年月 2016年4月 判型・製本 四六判・上製 288 頁
キーワード 評論,近現代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
小説を、ことばから体感するために

文字によって作者の感覚と読者の記憶がリンクする読書のメカニズムを探り、ストーリーではなく、細部の触感表現に注目することで見えてくる、文学の持つ多彩な魅力を伝える。
谷崎潤一郎、永井荷風、江戸川乱歩から、川上弘美、金原ひとみまで、作品に記された感覚表現から、読書という行為から失われつつある身体性を問い直す。

 

 

目次
はじめに

総 論 触感の文学史が切り開くもの

第Ⅰ部 小説に描かれた「身体」と触感
 第一章 立体造形と触覚─江戸川乱歩「人間椅子」「盲獣」
 第二章 女の身体の表現実験─永井荷風「腕くらべ」
 第三章 視覚の喪失と手触り─ 谷崎潤一郎「盲目物語」「春琴抄」泉鏡花「歌行燈」

第Ⅱ部 人と人との触れ合い
 第四章 歌留多会から─尾崎紅葉「金色夜叉」斎藤緑雨「門三味線」
 第五章 産児調節・堕胎・避妊─谷崎潤一郎「卍」
 第六章 不感症という逆説─ 三島由紀夫「音楽」「沈める滝」大岡昇平「武蔵野夫人」
 第七章 子供たちの触感の記号学─樋口一葉「この子」横光利一「御身」

第Ⅲ部 フェティッシュの誘惑
 第八章 フェティシズムの本質─谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」
 第九章 指と肌の融合─川端康成「雪国」「千羽鶴」「禽獣」
 第一〇章 兎を飼う─安岡章太郎「愛玩」
 第一一章 蛇に触る─川上弘美「蛇を踏む」金原ひとみ「蛇にピアス」坂東眞砂子「蛇鏡」石川淳「蛇の歌」

おわりに
触感の文学五〇選
あとがき
プロフィール

真銅 正宏(しんどう・まさひろ)
1962年、大阪府生まれ。神戸大学大学院単位所得退学。徳島大学総合科学部教官、同志社大学文学部教授を経て、現在、追手門学院大学国際教養学部教授。専攻は日本近現代文学。
主な著書に、『永井荷風・音楽の流れる空間』(世界思想社、1997年)、『ベストセラーのゆくえ』(輪林書房、2000年)、『小説の方法』(萌書房、2007年)、『食通小説の記号学』(双文社出版、2007年)、『永井荷風・ジャンルの彩り』(世界思想社、2010年)、『近代旅行記の中のイタリア』(学術出版会、2011年)、『偶然の日本文学』(勉誠出版、2014年)(以上単著)、『言語都市・上海』(藤原書店、1999年)、『言語都市・パリ』(藤原書店、2002年)、『小林天眠と関西文壇の形成』(和泉書院、2003年)、『パリ・日本人の心象地図』(藤原書店、2004年)、『言語都市・ベルリン』(藤原書店、2006年)、『言語都市・ロンドン』(藤原書店、2009年)(以上共編著)などがある。

書評・関連書等

・「図書新聞」(2016年6月11日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:中山弘明(徳島文理大学))
・「週刊読書人」(2016年6月17日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:伊藤氏貴(文芸評論家))

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◆正誤表は以下からダウンロードできます。
『触感の文学史』正誤表

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