キョウカンカクカラミエルモノ

共感覚から見えるもの

アートと科学を彩る五感の世界
北村紗衣 編
ISBN 978-4-585-21033-7 Cコード 1011
刊行年月 2016年5月 判型・製本 A5判・並製 424 頁
キーワード 美術,哲学

定価:4,620円
(本体 4,200円) ポイント:126pt

 品切 
書籍の詳細
この万華鏡のように多彩な感覚は、何か―

聞こえる音が味になり、文字に色がつき、匂いが見える…。身体と言葉が結びつく。
ある感覚が発生すると、同時に別の感覚が呼び覚まされる共感覚。
認知科学の研究対象として注目を集め、文学・芸術にも多くの「共感覚」が見出されている。
共感覚の科学研究と文学・芸術からのアプローチを交差させ、「身体」と「言葉」から、その感覚世界に迫った。

 

 

目次
まえがき 北村紗衣

序論 
共感覚の世界―何が起こっているのか 北村紗衣
共感覚の科学研究 松田英子

第Ⅰ部 身体 
ミラータッチ共感覚と身体的自己意識 鈴木啓介(The University of Sussex)
ダンスに応答する共感覚―アラン・プラテル“Wolf” における諸要素と諸感覚の関係― 三宅舞
共感覚的演劇を求めて―『驚愕の谷』からシェイクスピアまで 北村紗衣
近代芸術と共感覚―「共働する感覚」への総合芸術的問いかけ― 後藤文子
社会は〈第六感〉の夢を見るか?―音楽における共感覚とその彼岸― 石川洋行
感性の教育と共感覚―子どもの音感受の世界― 吉永早苗
「身体で考える」建築教育―子ども・空間・建築家の対話に見る共感覚的要素― 田口純子

第Ⅱ部 言葉 
共感覚と言語習得 ジェイソン・ホロウェル
日本文学における共感覚―宮沢賢治と尾崎翠を中心に 山下聖美
共感覚的表現は世界を変え得るのか―ランボーの「母音」を通してみる一考察 田島義士
感覚の境界の彼方に―ロマン主義、象徴派、エルンスト・ユンガーの詩作と思索 長谷川晴生
ペルシア文学に見る共感覚 藤井守男
共感覚とオノマトペ:その事例と分析 坂本真樹
味のレトリック―おいしさの表現と共感覚 武藤彩加

あとがき 北村紗衣

索引
執筆者一覧
プロフィール

北村紗衣(きたむら・さえ)
武蔵大学人文学部英語英米文化学科専任講師。専門はシェイクスピア。
主な著作に、「J・M・クッツェー作『夷狄を待ちながら』における月経の表現」『英文学研究支部統合号(関東英文学研究)』 3:149–167(2011)、‘Queens, Girls, and Freaks: Men in Women’sClothes and Female Audiences in Japanese Cross-Dressing Productions of As You Like It and Hedwig and the Angry Inch)’, in Silvia Antosa(ed.,) Queer Crossings: Theories, Bodies, Texts (Mimesis, 2012) などがある。

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