平川祐弘決定版著作集6
ヘイワノウミトタタカイノウミ

平和の海と戦いの海

二・二六事件から「人間宣言」まで
平川祐弘 著
ISBN 978-4-585-29406-1 Cコード 0095
刊行年月 2017年1月 判型・製本 A5判・上製 312 頁
キーワード 評論,世界史,日本史

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
信頼すべき日本とは何か―
日米戦争の最中、グルー大使は青年将校に殺された重臣斎藤實をI admired, respected, and loved と讃えた
日米双方の当事者の目で見た二・二六事件から「人間宣言」まで

第一部では、二・二六事件の前夜、駐日米国大使ジョーゼフ・グルーの夕食会に集った齋藤實夫妻と鈴木貫太郎大将、それにグルー自身を中心にして、これらの人々が第二次大戦中に行った平和への貴重な努力を、日米双方の史料の裏づけによって跡づける。
第二部は、ポツダム宣言受諾に際して日本が条件として示した天皇制の護持が、昭和二十一年一月一日、天皇の詔書渙発によってよりリベラルな形で維持されるにいたる、その過程の裏面を同じく史料によって明らかする。

講談社学術文庫版に掲載された五百旗頭真の解説に加え、岡崎久彦の書評、著者自身による新たな解説を付す。

 

 

目次
まえがき
第一部 平和の海と戦いの海─二・二六事件から八月十五日まで─
第一章 グルー大使と齋藤實夫人
第二章 鈴木貫太郎の平和演説
第三章 昭和二十年初夏の日米交渉

第二部 「人間宣言」の内と外─ブライス教授と山梨提督をめぐって─
第一章 ブライス教授
第二章 山梨提督
第三章 人間宣言
第四章 ヴァイニング夫人
第五章 君子交淡如水

付  録
原本あとがき(一九八二年十月)
講談社学術文庫版へのあとがき(一九九三年二月)
解題 五百旗頭真
戦後の通俗史観を覆す人間ドキュメント―平川祐弘著『平和の海と戦いの海 二・二六事件から「人間宣言」まで』― 岡崎久彦
著作集第6巻に寄せて─開幕と閉幕の構図─ 平川祐弘
プロフィール

平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)
1931(昭和6)年生まれ。東京大学名誉教授。比較文化史家。第一高等学校一年を経て東京大学教養学部教養学科卒業。仏、独、英、伊に留学し、東京大学教養学部に勤務。1992年定年退官。その前後、北米、フランス、中国、台湾などでも教壇に立つ。
ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞(1967年)、『小泉八雲―西洋脱出の夢』『東の橘 西のオレンジ』でサントリー学芸賞(1981年)、マンゾーニ『いいなづけ』の翻訳で読売文学賞(1991年)、鷗外・漱石・諭吉などの明治日本の研究で明治村賞(1998年)、『ラフカディオ・ハーン―植民地化・キリスト教化・文明開化』で和辻哲郎文化賞(2005年)、『アーサー・ウェイリー―『源氏物語』の翻訳者』で日本エッセイスト・クラブ賞(2009年)、『西洋人の神道観―日本人のアイデンティティーを求めて』で蓮如賞(2015年)を受賞。
『ルネサンスの詩』『和魂洋才の系譜』以下の著書は本著作集に収録。他に翻訳として小泉八雲『心』『骨董・怪談』、ボッカッチョ『デカメロン』、マンゾーニ『いいなづけ』、英語で書かれた主著にJapan's Love-hate Relationship With The West(Global Oriental, 後にBrill)、またフランス語で書かれた著書にA la recherche de l'identité japonaise-le shintō interprété par les écrivains européens(L'Harmattan)などがある。

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