エドショミンノドクショトマナビ

江戸庶民の読書と学び

長友千代治 著
ISBN 978-4-585-22193-7 Cコード 3021
刊行年月 2017年10月 判型・製本 A5判・上製 352 頁
キーワード 出版,文化史,日本史,江戸,近世

定価:5,280円
(本体 4,800円) ポイント:144pt

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書籍の詳細
教養熱(ブーム)は江戸時代にもあった!

出版文化が花開いた江戸時代、さまざまな知識が書物によって伝播していく中で、人びとのなかに「学び」への熱が高まっていった。
彼ら・彼女らはどのような知識を求め、どのような体系のなかで知を自家薬籠中のものとしていったのか。
そして、それを担う書物はどのように読者の手に伝えられたのか。
当時のベストセラーである啓蒙書や教養書、そして、版元・貸本屋の記録など、人びとの読書と学びの痕跡を残す諸資料の博捜により、日本近世における教養形成・書物流通の実情を描き出す。

 

 

目次
はしがき

第一章 近世初頭の書物と読書瞥見
 一 書物の探索と入手
 二 書物書写と慶長写本
 三 印刷本
 四 書物の譲渡、融通、本売
 五 虫払と目録
 六 読書始、進講、講釈、会読

第二章 近世における出版と読書
 一 寛永期の整版本出版
 二 元禄期三世代目の出版
 三 享保期より四世代目以降の出版
 四 四民の学習

第三章 近世庶民の学問とは何か
 はじめに
 一 学習・学問の普及
 二 学習・学問をする理由は何か
 三 学習・学問の究極の目標は何か
 四 原則的な教科課程
 五 庶民の自学自習の教科課程
 六 教材は出版本屋の製作本
 七 学習の成果は
 八 裏返しの茶化し

第四章 江戸初心者の勉学
 一 学門入学吉日
 二 学文十徳
 三 手習教訓書
 四 躾方教訓書
 五 入学文章
 六 京 学
 七 七夕の文事
 八 小児、娘子の教育
 九 早学問
 十 算は渡世の第一
 十一 相手尊重の教え
 十二 手習子風情
 十三 一代の総論

第五章 日常生活の中の文事
 一 手習い子
 二 読書を楽しむ
 三 文字を書く知恵
 四 墨・筆・硯・紙
 五 経師屋・哥書絵双子・書林物之本屋・唐本屋・浄瑠璃草紙屋・板木屋
 六 生活の中の本

第六章 江戸美人の読書
 一 読書は知的美人の象徴
 二 遊女の読書
 三 知識を身に付け楽しむ読書
 四 町娘の読書
 五 人気作者の本の読書

第七章 再説・浄瑠璃本の需要と供給
 一 町浄瑠璃の繁昌
 二 稽古本のはじめ
 三 正本の性格
 四 浄瑠璃本屋
 五 五行、六行本
 六 浄瑠璃本の見料

第八章 食事作法
 一 食礼
 二 『諸礼筆記』の「飲食」記事
 三 食事作法図

第九章 貸本屋略史
 一 商業本屋の開始
 二 行商本屋
 三 貸物屋、貸本屋

第十章 名古屋の貸本屋大惣
 一 名古屋の本屋と大惣の位置
 二 大惣略年表
 三 大惣の文壇、利用者
 四 近代の大惣本研究
 五 現在の大惣研究
 終わりに

あとがきに代えて―『浄土宗回向文和訓図会』―

初出一覧
索 引
プロフィール

長友千代治(ながとも・ちよじ)
昭和11年宮崎市生まれ。35年佐賀大学卒業、45年大阪市立大学大学院博士課程修了。大阪府立図書館司書、愛知県立大学・京都府立大学・佛教大学教授を歴任。
著書に、『近世貸本屋の研究』(昭和57年)、『近世上方作家・書肆研究』(平成6年)、『近世上方浄瑠璃本の研究』(平成11年)、『江戸時代の書物と読書』(平成13年。以上東京堂出版)、『江戸時代の図書流通』(思文閣出版、平成14年)など。編書に、『重宝記資料集成』全45巻別巻総索引(臨川書店、平成16~21年)など。

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