カートは空です。
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記録上にその名をあらわしてから一千年余、変わることなく我々を魅了し続ける『源氏物語』。前代の放射を深く取り込み、後代に長い影を落とすこの物語は、日本文学史上の大いなる達成をなし、いまなお論ずべき魅力の宝庫として屹立している。文学研究の起点に立ち返り、時代・ジャンルという既存の枠組みを越えた場に『源氏物語』を開き、新たな読解の方法論・可能性を拓く。気鋭の研究者の視角から日本文学研究を啓発する野心的論集。
岡田貴憲(おかだ・たかのり)1985年生まれ。日本学術振興会特別研究員PD(法政大学)・法政大学兼任講師。専門は平安時代の日記・物語。著書に『『和泉式部日記』を越えて』(勉誠出版、2015年)、『『和泉式部日記/和泉式部物語』本文集成』(共編、勉誠出版、2017年)、論文に「『源氏物語』帚木巻試論―光源氏は「なよ竹」を折ったか―」(『中古文学』第九七号、2016年6月)などがある。桜井宏徳(さくらい・ひろのり)1976年生まれ。國學院大學兼任講師・成蹊大学非常勤講師・武蔵野大学非常勤講師。専門は平安文学(中古文学)・歴史物語。著書に『物語文学としての大鏡』(新典社、2009年)、論文に「宇治十帖の中務宮―今上帝の皇子たちの任官をめぐって―」(『中古文学』第九三号、2014年5月。第八回中古文学会賞)、「藤原彰子とその時代―后と女房―」(助川幸逸郎・立石和弘・土方洋一・松岡智之編『新時代への源氏学4 制作空間の〈紫式部〉』竹林舎、2017年)などがある。須藤 圭(すどう・けい)1984年生まれ。立命館大学助教。専門は日本古典文学・地域文化学。著書に『狭衣物語 受容の研究』(新典社、2013年。第三回池田亀鑑賞)、論文に「近世紀行文にあらわれた源氏物語享受一斑―義経の歌として語られた光源氏の歌一首をめぐって―」(『文学・語学』第二一三号、2015年3月)、「源氏物語の「女にて見る」をどう訳すか―翻訳のなかのジェンダーバイアス―」(『第三九回国際日本文学研究集会会議録』国文学研究資料館、2016年)などがある。