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戦後初期のスポーツ雑誌の誌面上には、「高尚さ」や「教養」を語る編集者や読者の声が少なからず存在している。代表的スポーツ雑誌社であるベースボール・マガジン社の雑誌刊行の系譜を追うことで、現在のスポーツ・メディアのあり方とは異質な、スポーツ雑誌と「教養」との結びつきに光を当てる。戦時期の国防意識、占領によるアメリカ文化の流入、高度成長とオリンピック、大衆化と教養主義の終焉など、日本人の戦後精神を跡付ける。
佐藤彰宣(さとう・あきのぶ)1989年生まれ。立命館大学授業担当講師。立命館大学大学院社会学研究科博士課程修了、博士(社会学)。専門はメディア史、文化社会学。主要論文に、「野球雑誌をめぐる啓蒙と娯楽の拮抗―戦後初期における『ベースボール・マガジン』の変容」(『ソシオロジ』186号、2016年)、「戦後日本の雑誌メディアにおけるサッカー言説とその受容―「読むスポーツ」の規範と教養主義への近接」(『日本研究』25号、2016年)、「『戦闘機』への執着―ミリタリー・ファンの成立と戦記雑誌の変容」(『「知覧」の誕生―特攻の記憶はいかに創られてきたのか』柏書房、収用、2015年)など。
「日本経済新聞」(2018年3月10日)にて書評が掲載されました。「信濃毎日新聞」(2018年3月18日)にて書評が掲載されました。(評者:玉木正之(スポーツ評論家))「週刊読書人」(2018年7月27日)にて紹介文が掲載されました。「ソシオロジ」(2019年6月)にて書評が掲載されました。(評者:井上義和(帝京大学))