セキガハラカッセンヲヨム

関ヶ原合戦を読む

慶長軍記 翻刻・解説
井上泰至・湯浅佳子 編
ISBN 978-4-585-22227-9 Cコード 3021
刊行年月 2018年12月 判型・製本 A5判・並製 568 頁
キーワード 軍記,日本史,戦国時代,近世

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
「関ケ原」の全体像の解明はすべてここから始まる

関ヶ原合戦が最初に描かれた作品『慶長軍記』。
猛将・福島正則が東軍支持を誓った「小山評定」、小早川秀秋の裏切りを促す家康による「問鉄砲」…。
いま、通説として知られるドラマチックな展開は、この軍記によって定着し、流布していったものである。
「歴史」と「文学」のはざまで紡がれた物語の原典を紐解き、関ヶ原合戦の史実と虚像の広がりを味読する。
『慶長軍記』二種(寛文三年本・寛文八年本)の全編を本邦初翻刻。
関ヶ原合戦をめぐる歴史叙述の理解が一層深まる充実の解説と多彩なコラム、主要人名索引も収載した決定版。

 

 

目次
序 言―「関ヶ原」の解明はすべてここから始まる

慶長軍記序
1 関白豊臣秀吉公御治世の事
2 太閤薨御の事
3 伏見騒動の事幷びに秀忠卿関東下向の事
4 朝鮮諸将帰朝幷びに御遺物の事
5 石田治部少輔と諸将確執の事
6 家康公利家卿五人の奉行確執の事
7 兵法の事
8 朝鮮軍功訴訟の事
9 利家卿逝去の事幷びに石田三成大坂退去の事
10 石田と諸将確執内府公御扱ひの事
11 豊国造営幷びに伏見城内へ府公御移りの事
12 伏見城において訴訟の事幷びに利長隠謀の事
13 浮田中納言家中確執幷びに土方大野浅野配流さる事
14 景勝謀叛の事
15 会津表御発向の事
16 大谷刑部少輔佐和山へ立ち寄る事
17 加賀井弥八郎の事
18 上方筋軍兵駆り催しの事
19 羽柴越中守の簾中自害の事
20 池田三左衛門が妹勇力の事
21 加藤左馬助留守の事
22 若狹少将伏見城を立ち退く事
23 伏見城攻めの事
24 京極高次扱ひの事
25 大垣岐阜の城籠城の事
26 伊勢阿濃津の城攻め幷びに近国城攻めの事
27 上方衆居城の事
28 丹後国田辺の城攻めの事
29 北国合戦幷びに諸葛孔明の事
30 小松表浅井縄手合戦の事
31 太田但馬守災難に逢ふ事
32 羽柴加賀守の事
33 肥前守利長上洛の事
34 白石落城の事
35 江戸御出馬幷びに福島合戦の事
36 小山にて軍評議幷びに御馬入の事
37 越後一揆蜂起の事
38 上方勢美濃馳せ向ひ幷びに福束城攻めの事
39 宮部兵部の事
40 尾州高須犬山城落居の事
41 岐阜表人数配りの事
42 川田の渡し合戦の事
43 濃州竹ケ鼻落城の事
44 岐阜落城の事
45 江渡川越し付たり赤坂陣取りの事
46 駒野の軍勢引き入る事並びに長松開き退く事
47 濃州郡上城攻めの事
48 大津城攻めの事
49 真田合戦の事
50 家康公濃州へ御発向の事
51 田中兵部へ治部少輔謀の事
52 上方衆裏切内通の事幷びに晋の謝玄の事
53 福田縄手合戦の事
54 大垣諸将評議手分けの事
55 上方衆関ケ原備へ立ての事
56 東方武者押しの事
57 関ケ原合戦の事
58 石田治部少輔合戦の事
59 大谷平塚戸田の合戦の事
60 島津兵庫頭合戦の事
61 備前中納言幷びに残党の事
62 藤堂家武勇付たり朝鮮番船幷びに諸将の評の事
63 内府公諸将と御対面幷びに御陣取の事
64 牧田筋の合戦の事幷びに佐和山城攻めの事
65 筑前中納言幷びに津田長門の事
66 鎗穿鍳の事
67 大垣城攻めの事
68 長束大蔵の事
69 秀忠卿御対面幷びに伊奈図書の事
70 石田治部少輔幷びに安国寺生擒りの事
71 大坂城開け渡しの事幷びに郡山城開け渡しの事
72 諸将の虜梟首の事
73 浮田中納言秀家の事
74 黒田如水所々城攻めの事
75 和漢軍法伝授の事
76 鎮西合戦の事
77 大友義統合戦の事
78 宇土城攻めの事
79 柳川城攻めの事
80 景勝内隷の事幷びに最上の陣の事
81 毛利家の由来の事
82 諸国黜陟の事
83 御昇進幷びに年譜の事
84 駿河右府公御上洛幷びに秀頼公御対面の事
85 駿河大坂御中悪しき基本の事
86 秀頼公隠謀露顕の事
87 徳川家中興の事
88 内府公儒仏二教崇敬の事
(89 壁書百箇条の事)

慶長軍記を楽しむために
 ①三成をめぐる光と影
 ②儒学・兵学・武家故実―『慶長軍記』の政治思想
 ③三成の刺客―歌舞伎者加賀井弥八郎
 ④「異端」の理財家サムライ―岡左内
 ⑤藤堂家の表彰と芭蕉
 ⑥近代軍隊の戦史への影響
 ⑦写本の文章の魅力
 ⑧覚書・聞書から物語へ
 ⑨絵図の位置―図上演習と屏風

解 説 井上泰至

主要人名索引
プロフィール

井上泰至(いのうえ・やすし) 
防衛大学校教授。専門は日本近世文学。
主な著書に『近世刊行軍書論』(笠間書院、2014年)、『近世日本の歴史叙述と対外意識』(編著、勉誠出版、2016年)、『関ケ原はいかに語られたか』(編著、勉誠出版、2017年)などがある。

湯浅佳子(ゆあさ・よしこ) 
東京学芸大学教育学部教授。専門は日本近世文学。
主な著書に『近世小説の研究―啓蒙的文芸の展開』(汲古書院、2017年)、『秀吉の虚像と実像』(堀新・井上泰至編、笠間書院、2016年)などがある。

書評・関連書等


★広告情報
・「朝日新聞」(2018年12月9日)にサンヤツ広告を掲載しました。

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