アジア遊学232
ヒガシアジアコテンエンゲキノデントウトキンダイ

東アジア古典演劇の伝統と近代

毛利三彌・天野文雄 編
ISBN 978-4-585-22698-7 Cコード 1374
刊行年月 2019年4月 判型・製本 A5判・並製 264 頁
キーワード 美術,文化史,東アジア,近代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
近代日本における伝統演劇の変容

「伝統演劇」と呼ばれているものはいかに「変化」しているのだろうか。
3年にわたった国際高等研究所の共同研究プロジェクト【東アジア古典演劇の「伝統」と「近代」―「伝統」の相対化と「文化」の動態把握の試み】をもとに、近代の日本および東アジアの伝統演劇を「変容」「変化」という視点から具体的に論じる。
「伝統の相対化」や「文化の動態把握」という高次の問題についての見通しを示すことを試みる。

 

 

目次
はじめに   毛利三彌

序説 古典演劇の伝統と近代   毛利三彌

伝承
民俗芸能における近代―近代は民衆の祭礼芸能をどう変えたか   山路興造
黒川能と鶴岡荘内神社―明治維新後に引き継がれる酒井家への勤仕   重田みち
日本古典演劇譜本の近代―その変容と明暗   田草川みずき

上演
観世寿夫の登場―そのあとさき   天野文雄
女役者と近代―その出発点   佐藤かつら
舞踊、パンソリとタルチュムの近代   野村伸一
人形浄瑠璃文楽の戯曲上演―一九六六年以後半世紀を軸に   内山美樹子

受容
演劇の「古典」意識と近代化―古典とクラシック   神山彰
「夢幻能」という語から能の近代受容史をたどる   中尾薫
中国の影絵人形劇の「伝統」と「近代」   山下一夫

比較
近松の世話物と西洋の市民悲劇   岩井眞實
フラー・天勝・梅蘭芳―梅蘭芳『天女散花』と電光の世紀   平林宣和
西洋演劇の近代化と「詩劇」の問題   小田中章浩

[講演] 能と歌舞伎の近現代における変化の様相   羽田昶

おわりに   天野文雄
プロフィール

毛利三彌(もうり・みつや)
成城大学名誉教授。専門は演劇学。文学博士、ノルウェー学士院会員、元日本演劇学会会長。
主な著書・論文に、『北欧演劇論』(東海大学出版会、1981年)、『イプセンのリアリズム』(白凰社、1984年、日本演劇学会河竹賞)、『イプセンの世紀末』(白凰社、1995年)、『演劇の詩学―劇上演の構造分析』(相田書房、2007年)、『東西演劇の比較』(放送大学教育振興会、1993年)、『演劇論の変貌』(論創社、2007年)、『北欧の舞台芸術』(三元社、2011年)、フレデリック・デュラン著『北欧文学史』(共訳、1977年、白水社)、『イプセン戯曲選集―現代劇全作品』(東海大学出版会、1997年、湯浅芳子賞)、などがある。イプセン現代劇連続上演演出、東京国際イプセン演劇祭トリエンナーレ芸術監督などを務める。

天野文雄(あまの・ふみお)
京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長。専門は能楽研究。
著書に、『翁猿楽研究』(和泉書院、1995年)、『能に憑かれた権力者』(講談社選書、1997年)、『現代能楽講義』(大阪大学出版会、2004年)、『世阿弥がいた場所』(ぺりかん社、2007年)、『能苑逍遥〔上中下〕』(大阪大学出版会、2009年、2010年)、『能楽名作選〔上下〕』(角川書店、2017年)がある。

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