ツクラレタユイショ

創られた由緒

近世大和国諸社と在地神道家
向村九音 著
ISBN 978-4-585-31002-0 Cコード 3014
刊行年月 2021年6月 判型・製本 A5判・上製 288 頁
キーワード 宗教,説話,日本史,江戸,近世

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
「古え」は、いかにして語られたのか―

近世中葉、幕府・藩の統制のもと社寺の秩序化が行われるようになると、社寺の復興、復権などを目的として「由緒」が希求されるようになった。
それら「由緒」を説く任にあたったのは、神職や僧侶、そして神道家(神学者)であった。
石上神宮・大神神社・大和神社といった山辺の古社をはじめとして大和国諸社の由緒記を述作した在地神道家、今出河一友。
由緒正しき伝―「失われた古伝」、「俗説とは異なる真の伝」の創出を企図した彼は、いかなる方法を用いて、歴史的・文化的正統性を描き出したのか。
また、その言説は、地域社会において、どのように受容され、伝播していったのか。
「古え」「淵源」を語る営みの意味を捉えかえす画期的著作。

 

 

目次
はじめに
凡 例

第一章 今出河一友概説
  第一節 今出河一友の名称等と先行研究
  第二節 今出河一友の師―臼井接伝―
  第三節 今出河一友の書写・述作活動
    (1) 山辺三社を中心とした大和国諸社の由緒記の述作
    (2) 一友による神道書の述作と書写
  第四節 今出河一友と関係を有した人物

第二章 今出河一友による石上神宮由緒記の生成―「家の由緒」との連関―
  はじめに
  第一節 『物部氏口伝抄』と『石上神宮略抄』の成立事情
  第二節 布都斯御魂神祭祀と神主忌火家の由緒
  第三節 若宮出雲建雄神をめぐる言説と社人の由緒生成
    (1) 若宮出雲建雄神と八剣神
    (2) 社人の由緒の生成―『略抄』における布留神剣をめぐる伝承の活用―
    (3) 社人の由緒の生成―八剣神社の祭祀説を中心に―
  結び
  表 石上神宮由緒記の一覧

第三章 『大三輪神三社鎮座次第』の成立と言説の共有
  はじめに
  第一節 『鎮座次第』の概要と諸本
  第二節 今出河一友偽作説の検討
  第三節 『鎮座次第』の叙述の位相
    (1) 『鎮座次第』第一、二部における由緒の語り方
    (2) 『鎮座次第』第三部に見る言説―山王との関わりなど―
  第四節 『鎮座次第』の成立圏と受容層
  結び
  表 『大三輪神三社鎮座次第』概要

附論 『大乗院寺社雑事記』を中心に見る率川神社―中世期に形成された像と機能―
  はじめに
  第一節 中世に先行する率川神社関連記事
  第二節 『大乗院寺社雑事記』に見る率川神社
  第三節 中世における率川神社祭神にまつわる言説
  結び

第四章 『大倭神社注進状並率川神社記附裏書』に見る大和国諸社の由緒再編
  はじめに
  第一節 『大倭神社注進状並率川神社記附裏書』の概要
  第二節 『大倭神社注進状』への検討
  第三節 『率川神社記』への検討
  第四節 『裏書』への検討
  結び
  表 『大倭神社注進状並率川神社記附裏書』の概要

第五章 近世期穴師神社における由緒生成と古伝の「再発見」
  はじめに
  第一節 『大倭神社注進状並率川神社記附裏書』における穴師神社祭神説
  第二節 近世前期までの穴師神社祭神説
  第三節 今出河一友らによる穴師神社の位置づけ
  第四節 穴師神社からの古伝の「発見」と古儀の復興
  結び

第六章 近世における石上神宮鎮魂祭儀礼次第生成の位相
  はじめに
  第一節 鎮魂祭に関する先行研究
  第二節 近世における石上神宮鎮魂祭次第書の述作と担い手
  第三節 近世中葉に形成された石上神宮鎮魂祭をめぐる言説の位相
    (1) 鎮魂祭の起源譚と宮中鎮魂祭の儀礼次第―石上神宮鎮魂祭の比較対象として―
    (2) 『鎮魂祭略儀式』、『鎮魂祭次第記』に見る石上神宮鎮魂祭の特有性
          ―「招魂神事」、「八剣神事」を中心に―             
  第四節 伯家および大和国諸社などの相伝の摂取
    (1) 伯家秘説の参看と共有―祭神説を中心に―
    (2) 諸社諸家の相伝の取り入れ―穴師神社を中心に―
  結び

結び

附表
  附表Ⅰ 今出河一友著作・書写本の一覧
  附表Ⅱ 大阪府立中之島図書館石崎文庫所蔵大神宗次関連典籍の一覧

翻刻資料 國學院大學図書館所蔵『鎮魂祭略儀式』


参考文献一覧
あとがき
初出一覧
索 引
プロフィール

向村九音(さきむら・ちかね)
奈良女子大学文学部卒業。奈良女子大学大学院人間文化研究科博士前期課程修了。奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程、満期退学。博士(文学)。
現在、日本学術振興会特別研究員。
専門は日本中世~近世の文学。
論文に「『大三輪神三社鎮座次第』の成立と位相」(『叙説』39、奈良女子大学日本アジア言語文化学会、2012年)、「近世における石上社鎮魂祭儀礼次第生成の位相―今出河文斎らの活動を中心に―」(『説話・伝承学』27、説話・伝承学会、2019年)、「宝厳の修学と法流授受の様相―『故宝厳大和上行状記』を軸として―」(中山一麿監修・山﨑淳編『寺院文献資料学の新展開 第9巻 近世仏教資料の諸相Ⅱ』臨川書店、2020年)、「今出河一友による石上神宮由緒記の生成―「家の由緒」との連関―」(『説話文学研究』55、説話文学会、2020年)などがある。

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