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英国初期印刷本研究への誘い

書誌学から文学・社会・歴史研究へ
向井剛 著
ISBN 978-4-585-32012-8 Cコード 3022
刊行年月 2021年10月 判型・製本 A5判・上製 250 頁
キーワード 出版,西洋,世界史

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
テクストは生きている―

英国初期印刷本(1475~1640年)の出版時、現代とは異なる本文意識、著者意識のもと、読者代表としての印刷家(植字工)による本文介入が行われ、テクストは活字により固定化されていった。
『アーサーの死』・『セントオルバンズの書』・『トロイルスとクリセイデ』など10の実例をとおし、タイトルページの変遷、版の違い、本文異同と派生などを丹念に検討し、書誌学の立場から分析・解明する。
作者-印刷家-読者の間で揺れるイギリス印刷黎明期の作品テクストの分析から、文学・文化・歴史研究の新たな領域をひらく快著。

 

 

目次
はじめに 振り向けば未来―中世の本文意識

第1章 写本アンソロジーから刊本合冊本へ―著者意識と「作品集」の誕生 
第2章 タイトルページの変容―出版がサイオン修道院の壁を超える 『良心の訓令集』(The Directory of Conscience, 1527年・1534?年)考察
第3章 標題『アーサーの死』(Le Morte Darthur)の謎―W. コープランド版(1557年)を探る
第4章 領有されるテクスト―The Book of St. Albans(1486年)とThe Gentlemans Academie(1595年)
第5章 編者の読みとテクスト固定―空白のフォリオ番号から読むW. シン版(1532年)トロイルス物語
第6章 印刷家と作者の協働―『完徳への巡礼』(Pylgrimage of Perfeccyon, 1526年・1531年)考察
第7章 初期印刷本期のテクスト編集―チョーサーのR. ピンソン版(1526?年)『鳥たちの議会』
第8章 キャクストン版『アーサーの死』(1485年)と印刷用原稿のゆくえ
第9章 ド・ウォード版マロリー(1498年)の本文挿入と奥書―読みのずらしと作品受容
第10章 W. スタンズビー版マロリー『アーサーの死』(1634年)―本文から序文を読みなおす



図版出典一覧と再掲の謝辞

文献案内

初出一覧

あとがき

索引
人名・作品名索引
事項索引
プロフィール

向井剛(むかい・つよし)
1952年生まれ。大阪教育大学大学院修士課程修了。長崎大学、鳴門教育大学を経て、福岡女子大学で教育研究活動。福岡女子大学名誉教授(2017年)。日本中世英語英文学会会長(2013-2015年)。現在、同大学学長。
中世英語英文学(特にアーサー王物語)を研究対象とし、ホンダ・CR-Z、スバル・インプレッサ・スポーツを愛車とする。

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