庶民にとって近代化とは、戦争とは何であったのか―
明治37(1904)年、日露戦争勃発。
戦争は全国どこにでもあるありふれた農村で育った二十代の青年にも縁遠いものではなかった。
日露戦争の旅順攻囲戦に従軍した上等兵の出立、戦地での戦闘と苦難、凱旋帰郷までを詳細に記述した、一兵士が記録したものとしては他に類を見ない豊富な内容を持つ従軍日記の全編を活字化し紹介。
また、詳密な挿絵により世界の最新ニュースを伝えたフランスの報道雑誌『イリュストラシオン』より日露戦争関連の挿絵31点を抜粋・集成。
さらには、日露戦争当時に発刊され、絵画を交え人々に戦況を伝えた「征露図会」から関連記事を抜粋し活字化。
当時の庶民たちが戦争に際し、何を感じ、何を考えたかを知るための貴重資料。