ジュウグンニッキトホウドウサシエガツタエルショミンタチノニチロセンソウ

従軍日記と報道挿絵が伝える庶民たちの日露戦争

西川武臣 著
ISBN 978-4-585-32008-1 Cコード 1021
刊行年月 2021年10月 判型・製本 A5判・並製 240 頁
キーワード 文化史,世界史,日本史,明治,近代

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
庶民にとって近代化とは、戦争とは何であったのか―

明治37(1904)年、日露戦争勃発。
戦争は全国どこにでもあるありふれた農村で育った二十代の青年にも縁遠いものではなかった。
日露戦争の旅順攻囲戦に従軍した上等兵の出立、戦地での戦闘と苦難、凱旋帰郷までを詳細に記述した、一兵士が記録したものとしては他に類を見ない豊富な内容を持つ従軍日記の全編を活字化し紹介。
また、詳密な挿絵により世界の最新ニュースを伝えたフランスの報道雑誌『イリュストラシオン』より日露戦争関連の挿絵31点を抜粋・集成。
さらには、日露戦争当時に発刊され、絵画を交え人々に戦況を伝えた「征露図会」から関連記事を抜粋し活字化。
当時の庶民たちが戦争に際し、何を感じ、何を考えたかを知るための貴重資料。

 

 

目次
はじめに
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第一部 日露戦争日記
Ⅰ◎戦地へ向けて 明治三七年四月一一日~五月一二日
Ⅱ◎戦闘に参加して 明治三七年五月一三日~七月二四日
Ⅲ◎旅順東北での激戦 明治三七年七月二五日~八月一七日
Ⅳ◎繰り返される総攻撃 明治三七年八月一八日~一一月二五日
Ⅴ◎ロシア軍の降伏と旅順の占領 明治三七年一一月二六日~一二月三一日
Ⅵ◎旅順の開城と奉天への転戦 明治三八年一月一日~明治三九年一月一九日
Ⅶ◎日本への凱旋 明治三九年一月二〇日~二月九日

第二部 フランスの挿絵新聞「イリュストラシオン」が伝えた日露戦争
旅順周辺の要塞地帯を望む 一九〇四年二月十三日号
旅順港を望む 一九〇四年二月十三日号
駅頭での出兵の光景 一九〇四年三月十二日号
輸送船に乗り込む日本兵 一九〇四年三月十二日号
日本兵と荷物を運ぶ朝鮮人 一九〇四年四月二十三日号
朝鮮半島での日本の工兵隊 一九〇四年四月二十三日号
朝鮮半島の農家で連絡を取る日本兵 一九〇四年五月十四日号
満州の川を行軍する日本兵 一九〇四年五月十四日号
行軍するロシア騎兵 一九〇四年五月二十一日号
松山(愛媛県)の病院で療養中のロシア兵 一九〇四年六月四日号
遼陽で駐屯するロシア騎兵 一九〇四年六月十一日号
日本軍を指揮する黒木為頼大将 一九〇四年六月十八日号
黒木大将(中央)と幕僚たち(鴨緑江にて) 一九〇四年六月二十五日号
負傷兵を背負う兵士(鴨緑江付近) 一九〇四年六月二十五日号
鴨緑江で駐屯する日本軍 一九〇四年七月九日号
大砲を運ぶロシア兵(遼陽付近) 一九〇四年九月十日号
遼陽へ向かう日本軍 一九〇四年九月十日号
旅順攻囲戦の光景 一九〇四年九月十日号
休息する日本兵 一九〇四年九月十七日号
ロシア満州軍総司令官のクロパトキン将軍(右から三人目) 一九〇四年九月十四日号
戦場を視察するクロパトキン将軍 一九〇四年十月二十二日号
遼陽での戦勝を祝して東京市街を走る花電車 一九〇四年十月二十二日号
遼陽での戦勝を祝う横浜市民 一九〇四年十一月五日号
旅順攻囲戦を指揮した乃木希典将軍 一九〇四年十一月二十六日号
乃木将軍(左から四人目)と幕僚たち 一九〇四年十二月十日号
塹壕の中を行軍する日本兵(旅順攻囲戦) 一九〇四年十二月十七日号
旅順盤龍山北堡塁を占領した日本軍 一九〇五年一月二十一日号
旅順北方鶏冠山要塞の構造図 一九〇五年一月二十一日号
旅順攻囲戦で使用された日本軍の砲弾 一九〇五年二月十一日号
水師営で会見するステッセル将軍と乃木将軍 一九〇五年三月四日号
旅順攻囲戦で行軍する日本兵 一九〇五年三月二十五日号

第三部 「征露図会」・「凱旋図会」の記事から
Ⅰ◎大局の全勝を期すべし 「征露図会」第一編、明治三七年二月二五日号
[コラム1]アメリカ赤十字社員の日露戦争傷病兵の看護
Ⅱ◎横浜における提灯行列 「征露図会」第五編、明治三七年五月一〇日号
Ⅲ◎十三里台付近の激戦 「征露図会」第七編、明治三七年六月二〇日号
Ⅳ◎金州城の占領、南山の激戦 「征露図会」第七編、明治三七年六月二〇日号
Ⅴ◎歩兵第三連隊蟻坂大尉の実戦談 「征露図会」第八編、明治三七年七月一〇日号
[コラム2]イギリス王家の使節派遣
Ⅵ◎旅順攻囲軍の作戦経過 「征露図会」第一五編、明治三七年一一月三日号
Ⅶ◎旅順攻囲軍死傷者 「征露図会」第一五編、明治三七年一一月三日号
[コラム3]ヨーロッパ諸国での戦争報道
Ⅷ◎旅順攻囲軍の総攻撃 「征露図会」第一八編、明治三八年一月一五日号
Ⅸ◎両将の会見 「征露図会」第一九編、明治三八年二月一日号
Ⅹ◎伊勢行幸 「凱旋図会」第二編、明治三八年一一月二五日号
Ⅺ◎後備連隊の凱旋 「凱旋図会」第二編、明治三八年一一月二五日号
Ⅻ◎凱旋軍隊の検疫 「凱旋図会」第二編、明治三八年一一月二五日号
XIII◎歓迎雑記 「凱旋図会」第二編、明治三八年一一月二五日号
XIV◎凱旋戦捷唱歌 「凱旋図会」第二編、明治三八年一一月二五日号

おわりに
プロフィール

西川武臣(にしかわ・たけおみ)
1955年愛知県生まれ。明治大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。博士(史学)。専門は日本近世・近代史。現在、横浜開港資料館館長。
主な著書に『ペリー来航』(中公新書、2016年)、『幕末・明治の国際市場と日本』(雄山閣出版、1997年)、『神奈川県の歴史(第2版)』(共著、山川出版社、2013年)、『横浜開港と交通の近代化』(日本経済評論社、2004年)ほか多数。

書評・関連書等

書評・紹介★
「神奈川新聞」(2022年3月20日、10面読書欄)に書評が掲載されました。
 →評者:大畑拓氏

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