現代ドイツへの視座―歴史学的アプローチ2
ナチズムホロコーストトセンゴドイツ オンデマンドバン

ナチズム・ホロコーストと戦後ドイツ(オンデマンド版)

石田勇治・川喜田敦子 編
ISBN 978-4-585-82513-5 Cコード 1022
刊行年月 2022年10月 判型・製本 A5判・並製 384 頁
キーワード 戦争,現代社会,世界史,近現代

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
誰が関与し、どのように行われ、何をもたらしたのか―

ナチズムとホロコーストに関する実証研究は、ここ三十年で長足の進歩を遂げた。本巻では、その豊穣な成果を踏まえながら、ナチズムと両義的近代との関係、「民族共同体」の様態、レーベンスラウムや民族再生の含意、さらにポーランド、スイスの動きなど近年の歴史学が提示する最新の論点を取り上げる。そして戦後ドイツ、すなわちナチズム後のドイツが「負の過去」とどのように取り組んできたか、司法訴追、補償、想起の文化などに注目して多面的に検討する。


*『ナチズム・ホロコーストと戦後ドイツ』(ISBN:978-4-585-22513-3)(2020年9月刊行)のオンデマンド版となります。

 

 

目次
序 文 石田勇治・川喜田敦子

第1部 両義的近代へのアプローチ
第一章  教育刑と犯罪生物学―ヴァイマルからナチズムへ 佐藤公紀
第二章  ナチ強制収容所とドイツ社会 増田好純
第三章  戦間期ドイツにおける民間防空共同体―実践のフォルクスゲマインシャフト 柳原伸洋

第2部 第二次世界大戦とナチズム・ホロコースト
第四章  ある種の幻肢痛―戦間期のレーベンスラウム構想 ウルリケ・ユーライト(石田勇治・川喜田敦子訳)
第五章  入植と大量虐殺による「ドイツ民族」の創造―「東部総合計画」と学術的民族研究 パトリック・ヴァーグナー(川喜田敦子・石田勇治訳)
第六章  ポーランドとホロコースト―イェドヴァブネからの問いかけ 解良澄雄
第七章  スイスのホロコースト関与とその後―難民政策を中心に 穐山洋子

第3部 ナチズム後のドイツ
第八章  戦後ドイツ司法によるナチ犯罪追及―占領期から今日までの展開とその所産 福永美和子
第九章  フリッツ・バウアー―ナチの過去に挑んだ検事長の狙い 池辺範子
第十章  西ドイツの戦争賠償と「ナチ不法に対する補償」―ドイツ在外財産に着目して 川喜田敦子
第十一章 ナチズムの長い影―一九四五年以降のドイツにおける過去をめぐる政策と記憶の文化 ラインハルト・リュールップ(西山暁義訳)
第十二章 ナチ強制収容所体験と生存者たちのその後 猪狩弘美
第十三章 過去との断絶と連続―一九四五年以降のドイツと日本における過去との取り組み マンフレート・ヘットリング/ティノ・シェルツ(川喜田敦子訳)
第十四章 連邦大統領の演説と想起の文化 石田勇治

執筆者一覧
プロフィール

石田勇治(いしだ・ゆうじ)
1957年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)教授。専門はドイツ近現代史、ジェノサイド研究。
主な著書にJungkonservative in der Weimarer Republik. Der Ring-Kreis 1928-1933, Frankfurt am Main 1988、『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書、2015年)、『過去の克服―ヒトラー後のドイツ(新装版)』(白水社、2014年)、『20世紀ドイツ史』(白水社、2005年)、共編著に『ジェノサイドと現代世界』(勉誠出版、2011年)など。

川喜田敦子(かわきた・あつこ)
東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門はドイツ現代史、ドイツ地域研究。
主な著書に『東欧からのドイツ人の「追放」 二〇世紀の住民移動の歴史のなかで』(白水社、2019年)、『ドイツの歴史教育』(白水社、2005年)、共著に『図説ドイツの歴史』(河出書房新社、2007年)、共編著に『歴史としてのレジリエンス 戦争・独立・災害』(京都大学学術出版会、2016年)、訳書にイアン・カーショー著『ヒトラー 上 1889-1936 傲慢』(白水社、2015年)など。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「西洋史学」274号(2022年12月30日)に書評が掲載されました。
 →評者:高橋秀寿氏(立命館大学教授)

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