ムラビトタチノセイカツモード

むら人たちの生活モード

中世日本民衆生活史入門
蔵持重裕 著
ISBN 978-4-585-32018-0 Cコード 3021
刊行年月 2022年10月 判型・製本 四六判・並製 424 頁
キーワード 文化史,民俗学,日本史,鎌倉,中世

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
日本中世の村・浦の姿を読み解く

若狭国に西津荘多烏浦(福井県小浜市田烏地区)という小さな一つの村があった。
鎌倉時代、当地の人々は、漁業・塩業を営み、わずかばかりの田と山の畠を耕して生きてきた。
この小さな漁村には、大変珍しいことに、鎌倉時代から室町時代にかけての文書、歴史史料が多数遺されている。
人々はどのように働き、財産を蓄え、村を豊かにしようにしようとしたのか。
何を信仰し、どのように紛争を収め、領主や幕府などの権力者とどう渡り合ったのか。
遺された史料を博捜し、中世日本のむら人たちの生活モード=生活の様態、流儀を丹念に読み解く快著。

 

 

目次
はじめに
 ねらい/すがた/あるく/交流/多烏浦研究のねらいと論点
 〈付記〉ムラ・むら・村とは

第Ⅰ章 惣る村―機能単位組織の存在―
 本章のねらい
 一 惣在家講
 二 山の百姓請
 三 惣百姓
 四 むらの惣百姓

第Ⅱ章 百姓の逃亡とむらの形成
 本章のねらい
 一 逃亡と立志
    (一)五郎二郎―逃れる人―
    (二)逃散
    (三)逃れの理由
    (四)訴と逃亡
 二 浦の立て始め
    (一)浦の開拓者
    (二)逃亡から始まる
 三 状の成り立ち
 四 徳政 代替わり徳政
 五 説話の構造
 六 始源
 七 形成

第Ⅲ章 刀祢職―秦家―
 本章のねらい
 一 職掌
 二 財産と機能
    (一)屋敷
    (二)財
 三 金融機能
 四 武士

第Ⅳ章 村の生業と人々の結びつき
 本章のねらい
 一 年貢・公事
    (一)地頭方
    (二)預所・領家方
 二 塩業
 三 漁業・廻船
    (一)漁業の展開
    (二)網を持つ人・暮らす人
    (三)廻船

第Ⅴ章 住人―縁と身分―
 本章のねらい
 一 村の住人
 二 名前と身分
    (一)中世の名前
    (二)仮名と通過儀礼
    (三)権守
    (四)身分の獲得
    (五)下人 とう三郎
 三 親族のひろがり

第Ⅵ章 村住人の信仰
 本章のねらい
 一 自然な信仰と仏教
 二 死
 三 神信仰、祈りと祟り
    (一)天神信仰
    (二)薬師信仰
    (三)阿弥陀信仰
    (四)観音信仰
    (五)禅宗の受容
 四 信仰の流れ
 五 天満宮の造営

第Ⅶ章 危機管理と交流
 本章のねらい
 一 生業をめぐる紛争
    (一)網場争い
    (二)海の論理
    (三)幕府の和与
 二 紛争の流れと性格
 三 自力救済
 四 来訪者―契約と対面の次元―
 五 紛争の時空―親族の平和ネット―
    (一)危険な〝時〟―その一―
    (二)危険な〝時〟―その二―

むすび
 一 ムラ・むら・村の自立性
     (一)村と税
     (二)ムラ・むら・村の人々の集まり
 二 多烏浦史のながれ

おわりに
あとがき
プロフィール

蔵持重裕(くらもち・しげひろ)
立教大学名誉教授。専門は日本中世史。
著書に『日本中世村落社会史の研究』(校倉書房、1996年)、『中世村落の形成と村社会』(吉川弘文館、2007年)、編著に『中世の紛争と地域社会』(岩田書店、2009年)、『日本中世社会と村住人』(勉誠出版、2021年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「週刊読書人」(2022年12月23日、10面)「2022年回顧総特集」にて紹介されました。
 →紹介者:櫻井 彦氏(宮内庁書陵部図書課主任研究官)
「民衆史研究」第105号(2023年5月20日)にて紹介されました。
 →紹介者:篠原佑典氏

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