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複雑な本文構成を有していることから、これまでに全釈はおろか校注すら無かった慈円「法華要文百首」。 『拾玉集』校異・注記などの内部徴証を手掛かりに、草稿本から「第一次清書本」を経て、一題一首形態の最終「清書本」までの推敲・彫琢の段階を辿ることにより、慈円の詠歌方法を解明する。 ※慈円(1155~1225) 鎌倉初期の天台宗の僧。関白藤原忠通の子。九条兼実の弟。諡は慈鎮。四度、天台座主となり、歌人としても名をなした。著作に「愚管抄」、家集に「拾玉集」など。
【編者】 石川一(いしかわ・はじめ) 県立広島大学人間科学部教授・奈良大学文学部を経て、県立広島大学名誉教授。専門は中世和歌。 著書に『七巻本拾玉集(架蔵本)翻刻』(共著、渓水社、1993年)、『慈円和歌論考』(笠間書院、1998年)、『拾玉集本文整定稿』(勉誠社、1999年)、『(旧多度津藩家老)林家所蔵文化財図録』(単編著、ぺりかん社、2003年)、『拾玉集(上・下)』和歌文学大系(共著、明治書院、2011年)、『後京極殿御自歌合・慈鎮和尚自歌合全注釈』(共著、勉誠出版、2011年)、『慈円法楽和歌論考』(勉誠出版、2015年)、『御裳濯和歌集全注釈並びに資料と研究』(勉誠出版、2019年)、『仙洞句題五十首・水無瀬殿恋十五首歌合全注釈』(共著、勉誠出版、2020年)などがある。 【執筆者】 佐藤茂樹(さとう・しげき) 清水明雄(しみず・あきお) 石井悠加(いしい・ゆか)