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『陰翳礼讃』はどのような書物なのか。谷崎は本書にどんな思いを込めたのか。なぜ10を超える言語に翻訳され、様々なジャンルで参照され、今も世界各国で読まれ続けているのか。アジア、ヨーロッパ、アメリカを視野におさめながら、1904年の日露戦争から始まり、1920~30年代のモダニズムや戦後のGHQ占領期を経て、現代へと至る言論空間を探求する試み。一冊の本が作り出した読書のネットワークと、壮大な20世紀文化交流の歴史を描きだす。
西村将洋(にしむら・まさひろ) 1974年兵庫県生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(国文学)。西南学院大学国際文化学部教授。ロンドン大学SOAS客員研究員。専門は近現代日本文学、近代日本文化学。共著に『共同研究 上海の日本人社会とメディア1870-1945』(岩波書店)、『言語都市・ロンドン1861-1945』『言語都市・ベルリン1861-1945』(以上、藤原書店)、『『Japan To-day』研究―戦時期『文藝春秋』の海外発信』(作品社)ほか。編著に『パリヘの憧憬と回想―「あみ・ど・ばり」III』(柏書房)、『朝鮮半島のモダニズム』(ゆまに書房)ほか。学術論文に「失われたテクストを求めて―芥川龍之介とグローバル・ジャポニスム」(『日本文学』日本文学協会)、「アフリカからアジアをみる―日中戦争期の保田與重郎とマルクス主義民族論」(『昭和文学研究』昭和文学会)ほか。翻訳に「ジョン・H・ディクソン「現代日本の美術家たちについて」―1902年、ロンドン日本協会での発表論文(翻訳と注釈)」(『国際文化論集』西南学院大学)。
b>★書評・紹介★「読売新聞」(2023年4月23日)に書評が掲載されました。 →評者:苅部 直氏(政治学者・東京大学教授)「東京新聞」(2023年5月6日)にて紹介されました。「週刊読書人」2023年7月28日)の「2023年上半期の収穫から」にて紹介されました。 →選者:日比嘉高氏(名古屋大学教授)