日本帝国の崩壊過程におけるソ連要因を実証的に明らかにする新視点
第二次世界大戦末期の1945年8月、日本とソ連との戦争は勃発した。
日ソ戦は短期間のものではあったが、戦後の東アジア国際関係に大きな影響を及ぼした。シベリア抑留や北方領土問題など戦後処理が長期にわたり、戦後日本史を考えるうえでも重要な構成要素となっている。
それにもかかわらず、日ソ戦争は、日本の歴史学界においてこれまでほとんど注目されておらず、日本近現代史の通史のなかでもふれるものは少なかった。
本書では、日本史、ロシア史、中国史、モンゴル史、現代政治におよぶ多面的考察により、日ソ戦争史の全体像、そして、北東アジア規模のグローバル・ヒストリーとしての日ソ戦争の位置づけを明らかにし、今後の現代史研究の礎を提供する。