トシヨリズイノウゼンチュウシャク

俊頼髄脳全注釈

家永香織・小野泰央・鹿野しのぶ・舘野文昭・福田亮雄 著
ISBN 978-4-585-39025-1 Cコード 3095
刊行年月 2023年3月 判型・製本 A5判・上製 704 頁
キーワード 和歌,古典,中世

定価:16,500円
(本体 15,000円) ポイント:450pt

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書籍の詳細
古代歌論の総体、注釈および貴族説話のさきがけ、古代と中世における韻文散文の紐帯を解明する鍵がここにある。
約半世紀ぶりに書き換えられた『俊頼髄脳』の完全注釈。

歌病・歌体・歌枕など初期歌論書における格式の集成は、言わば、古代歌論の総集であり、それに続く歌語釈は、現存最古の和歌注釈で、かつ『江談抄』とともに貴族説話の嚆矢でもある。
定家本を底本にして顕昭本・略本系本を対校した本文に、先行資料および同時代歌論書などの文献を網羅した語釈を付す『俊頼髄脳』全注釈である。

*『俊頼髄脳(としよりずいのう)』とは
源俊頼によって書かれた歌論書。1111~1112年成立とされる。

 

 

目次
凡例

俊頼髄脳全注釈
 序
 歌の姿、病を避るべきこと
 歌の病を避ること
 文字数
 歌詠むもの
 歌の詠み方―題の詠み方
 景物の詠み方
 歌の良しといふこと
 言ひがら
 似物
 おぼろけにては詠むまじき詞
 古歌に詠み増すこと
 歌の返し
 物の名を言はで、心に思はせたる歌
 歌枕
 歌語釈
 連歌
 歌語釈
 歌道への執心
 詠歌の遅速
 能因法師の歌人としての態度
 歌の良し悪し
 好む者を歌詠みとはいふなり
 良暹と経信
 跋

解 説
《概説》
1 『俊頼髄脳』と源俊頼
2 本書の本文と対校本について
《論考》
『俊頼髄脳』の構造 小野泰央
『俊頼髄脳』と後代の歌学書 家永香織

あとがき 家永香織
索引
プロフィール

家永香織(いえなが・かおり)
1962年栃木県生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、立教大学文学部特任教授。著書に『為忠家初度百首全釈』(風間書房・2007年)、『為忠家後度百首全釈』(同・2011年)、『転換期の和歌表現 院政期和歌文学の研究』(青簡舎・2012年)など。

小野泰央(おの・やすお)
1965年山梨県韮崎市生。中央大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(文学)。現在、中央大学文学部教員。著書に『平安朝天暦期の文壇』(風間書房・2008年)、『中世漢文学の形象』(勉誠出版・2011年)、『創造するための文章』(真珠書院・2013年)など。

鹿野しのぶ(しかの・しのぶ)
1971年東京都北区生。日本大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本大学非常勤講師。著書に『冷泉為秀研究』(新典社・2014年)など。

舘野文昭(たての・ふみあき)
1984年栃木県生。慶應義塾大学大学院文学研究科(国文学専攻)後期博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、埼玉大学大学院人文社会科学研究科准教授。著書に『中世「歌学知」の史的展開』(花鳥社・2021年)、論文に「『愚秘抄』諸本研究の諸問題」(『国文学研究資料館紀要(文学研究篇)』46号・2020年)など。

福田亮雄(ふくだ・あきお)
1967年東京都台東区生。大正大学大学院文学部国文学専攻博士前期課程修了。現在、中央大学非常勤講師。真言宗成就院住職。

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